話題化の末に、売れた個数は?
MZ:では、これらの施策を通じて、どれだけの成果があったか教えてください。
白井:累計販売個数は6,100万個を超えました。また、「悪魔の」シリーズとして、トーストやコーヒーなど、他の商品の展開も進むようになり、中国でも「悪魔のおにぎり」を販売するなど、グローバルで活躍するブランドになりました。

また、レシピサイトでもローソンの「悪魔のおにぎり」を再現したものが登場したり、小学校からレシピについて問い合わせが来たりしました。
MZ:コンビニで新商品が定番化するのは難しいとのことですが、すごい結果ですね。
白井:そうですね。発売からもう1年以上が経ちますが、他の商品を含めた水平展開が進むヒットになったのは非常に珍しいと思います。ソフトドリンクの棚では、年間500商品が出て、定番品として残るのは1、2品と言われています。
競争の激しいコンビニの販売棚で、「悪魔のおにぎり」は定番商品として定着し、他の商品でもシリーズ展開できたのは非常に大きな成果だったと思います。
MZ:今回のヒットの要因はどこにあると思いますか。
白井:まず、商品力ですね。これまでにありそうでなかったシンプルながらもやみつきになる味、そしてキャラクターを使ったかわいいパッケージ。また、発売時期がハロウィンと近かったので、それも意識した商品設計だったのが良かったと思います。
そして、連続的なSNSでのコミュニケーションができたので、ここまでの成果につながりました。
前向きな後追いでヒットを加速
MZ:今回の結果を他の商品でも活かすために、何が必要だと思いますか。
白井:発売前から盛り上げることが重要だと思っています。「悪魔のおにぎり」の場合は、元々南極地域観測隊のおにぎりが話題になっていて、ローソンがその話題に乗っかった形になります。
ただ、他の商品の場合は、ローソンから事前の話題化を狙う必要があるので、「悪魔のおにぎり」の事例を参考にしてコミュニケーションプランを考えていきたいです。
MZ:最後に今後の展望を教えてください。
白井:コンビニでは新商品が多いという話をしましたが、具体的には1週間で100くらい出ているんです。SNSで全部を紹介するのは難しいので、紹介できるのは一部のみになります。
ただ、今回の「悪魔のおにぎり」のように、何がヒットするのかわからない世の中になっています。そのため、メディアやお客様が良い商品と思っていただき話題にしているところを、前向きに後追いして、記事と自社のSNSなどを駆使しながら広げていきたいです。