オフライン×デジタルで得られている成果は?
MZ:オフラインメディアとデジタルメディアを両方持ち合わせている御社ですが、どのようにすみ分けて提案しているのでしょうか。

前西:それぞれのメディアの特徴に合わせた提案は以前より行っています。たとえば、雑誌の場合は定期購読しているロイヤリティの高い方にアプローチすることができます。一方、デジタルメディアの場合は無料で読めるため広いリーチを獲得でき、どの記事に反応があるかなども検証可能です。
ただ、すみ分けというよりは、読者・ユーザーにどんなときでも情報提供の機会を用意することを心がけています。シチュエーションや時間によってお客様が見ているものは様々です。雑誌やデジタルメディアはもちろん、イベントなども含めできるだけ多くの接点を作ることを意識しています。
MZ:実際に、複数媒体で接点を持つことで効果は上がるのでしょうか。
前西:あるブランドと行ったブランドリフト調査では、雑誌とデジタルの両媒体に接触している層は、非接触層よりも約6倍のブランドリフトが起きていました。

収益の50%を超えるデジタルをさらに強化
MZ:今後の広告マネタイズに対する展望を教えてください。
前西:広告業界自体がデジタルの登場によって大きく変化しました。これまでは広告会社と我々のようなメディアだけだったのが、デジタル広告専業の広告代理店やコンサルティング会社などが提案する機会も増えてきました。最適な人、タイミング、場所でアプローチすることがより一層必要になっていると思っています。
また、ECを含めたものにはなりますが我々の収益の50%はデジタルからになっています。最近ローンチしたデジタルメディアなどもありますので、今後この割合はますます伸びてくると思っています。
そしてハーストデータスタジオとしては、ユーザーの興味関心に合わせた情報を届けるためのフレキシビリティを強化して、デジタルとオフラインの接点を組み合わせた収益を生み出していきたいです。
ハーストグループは「メディア界のNo.1データドリブンカンパニー」を目指しております。我々もそこに向けて、最適な広告機会の提供に努めます。また、Eコマースビジネスも早い段階から展開してきたので、そこに対するデータや知見も活かしクライアントの売上を上げる提案もしていきたいです。