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MarkeZine Day 2025 Autumn

スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

2020年、TwitterとInstagramが目指すスポーツ×マーケティングとは


アスリート×企業コラボで最大の効果を上げるために

平地:ここまではチームやアスリートの目線でお話を多く聞いてきましたが、アスリートやチームとコラボしたい企業はどのようなことを意識すべきでしょうか。

北野:Twitterでは、広告のバリュープロポジションとして「Connect with What's Happening」を掲げているのですが、リアルタイムなプラットフォームだからこそ広告主の皆さんも今起きているモーメントを汲み取ったコミュニケーションをすべきだと考えています。

 スポーツも年がら年中同じ話題で盛り上がっているわけではありません。様々なスポーツイベントが発生したときに大きな盛り上がりが発生するので、たとえばスポーツイベントのハイライト動画の前にプレロール広告を配信することもできます。もしくは特定のスポーツに合わせたインフォマーシャルを作って、スポーツイベントのときに配信するのも1つだと思います。

水谷:アスリートと取り組むとき、企業のマーケターはディレクションし過ぎて失敗するケースが多いと思っています。ファンの方が見たいのは日常や素顔なので、商品のベネフィットは伝えつつもアスリートの日常やキャラクターを出してもらうことが重要だと思います。

 たとえば、Instagramではストーリーズの人気機能である質問スタンプを広告でも使えるようにしているのですが、そういったものを駆使してもらって、アスリートと利用者のあいだで双方向の会話を生み出す演出をしても良いと思います。

平地:ちなみに、そのような活用が上手くいった企業事例ってあるのでしょうか。

北野:ラグビーワールドカップでは多くの広告主が、ユーザーが楽しんだ試合のハイライト動画の前にプレロール広告を出稿するなど、スポーツが盛り上がるというモーメントを活用されました。

水谷:ラグビーワールドカップの際に、マスターカード様がラグビーワールドカップ専用のGIFスタンプを開発し、ストーリーズ広告も積極的に活用していました。さらに、アスリートやインフルエンサーの投稿をそのまま広告素材として使える「ブランドコンテンツ広告」も用いて、イベントの舞台裏を紹介するなど、Instagramの持つ機能を最大限使っていましたね。

マイナースポーツこそSNSを使ってほしい

平地:最後に、2020年のスポーツをどう盛り上げていくか、展望をお話しください。

水谷:すでに昨年から実施しているのですが、アスリートの方に関しては、難しく考えずもっと気軽にInstagramを利用してもらえるよう、使い方やベストプラクティスを共有するワークショップを引き続き開催したいです。

 マスメディアに取り上げられる機会が少ないマイナースポーツであっても、競技の中身やアスリートの個性を武器にして発信すれば直接ファンに広めていける可能性はあるので、もっと多くのアスリートの方に使っていただきたいですね。

 その上で、企業のマーケターの皆さんには、ぜひアスリートを語り手にして、自社のブランドが持つベネフィットを発信していく取り組みを一緒にできればと思います。

北野:日本では、2020年に大きなスポーツイベントが控えていますが、野球やサッカーなどメジャーなスポーツは何もしなくても大きな会話が起きると思います。そのため個人的には、水谷さんもおっしゃるようにマイナースポーツの方にもっとTwitterを使っていただけるようにしたいです。

 マイナースポーツであればあるほど、自ら発信していかなければ話題を作ることはできません。メディアの取り上げを待つよりも、協会などが自ら選手のアカウント保有状況を把握し、ファンが求めていそうな情報やメディアが取り上げない情報をどんどん発信してほしいです。私たちもそのサポートをしていきたいと思います。

平地:お2人から、マイナースポーツに使ってほしいというお話がありましたが、「フォロワーもいないし、発信しても広がらないのでは」と思ってしまう方もいると思います。発信を拾ってもらうコツがあれば、ぜひ教えてください。

北野:コアファン向けの情報発信を心がけることが重要です。そのスポーツが好きな思いのある方に届けば、リツイートなどで拡散していきます。いきなりライトなファンに届けても消化不良で終わっていくので、コアファンから情報を広げていく設計をすべきです。

水谷:2つあって、1つはトレーニングに関心のある層が一定数いるので、自分が日々どんなトレーニングをしているかを見せていくのが良いと思います。

 もう1つは、ストーリーズの質問スタンプ機能を使って、フォロワーに何を見たいかを聞いてしまうことです。母数が少なくても、見ている人が欲しい情報を発信していれば意味が出てくると思います。

平地:記事が出た後に、ストーリーズで質問スタンプ機能を使ったりTwitterで投票ツイートをしたりするアスリートやスポーツチーム、団体が増えるかもしれませんね(笑)。SNSは双方向のコミュニケーションがあってこそ力を発揮できると思うので、投稿内容に困ったら、ぜひコアファンに聞くことから始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/01/30 14:57 https://markezine.jp/article/detail/32709

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