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MarkeZine Day 2025 Retail

チャットコマースの可能性を探る

CVに結びつく「チャット」活用のポイント ヒアリングファーストのコミュニケーションデザインとは?

なぜチャットコマースで商品が売れるのか?

 前提として、チャットコマースは単に「会話ができるから商品が売れる」ものではなく、「ユーザーと良好な関係を築くことで商品が売れる」サービスです。これを踏まえ、実際に成果を出していくためには、「ユーザーのエンゲージメントを高めながら、潜在顧客を顕在化させ、コンバージョンへと導いていくこと」が重要になります。

 しかし、チャットコマースはLINEやFacebook Messengerなどのメッセージアプリ上で作成した企業アカウントと友達になってもらうことを前提としているサービスであるため、ユーザーからブロックされてしまえばそこでやり取りが終わってしまうサービスでもあります。

 つまり、チャットコマースで成果を出すためには、以下の3つのポイントを押さえていく必要があります。

チャットコマースで成果を出すための3つのポイント

(1)ユーザーのエンゲージメントを高める(アカウントブロックを防ぐ)
(2)潜在層を顕在層へシフトさせる(CVユーザーの母数を増やす)
(3)継続的なコミュニケーションをとる(離脱ユーザー、CV済みユーザーを引き戻す)

 これらのポイントを押さえるための鍵となる機能が、「プッシュ配信」です。

 一般的にプッシュ配信は、スマートフォンでの視認性が高く、メッセージ開封率も極めて高いため、ユーザーを手軽にアプリの起動へ誘導しやすい機能です。しかし開封率が高い反面、メッセージの内容や配信する時間帯、配信の頻度等、ユーザーに配慮していない配信を続けた場合は、アカウントのブロックにつながり易い機能とも言えます。

 そのため、「ただ配信し続けるだけのプッシュ配信」ではなく、ユーザーの意思を汲み取り、商品やアカウントのエンゲージメントを高めるプロセスが必要不可欠なのです

ユーザーの意思を汲み取るコミュニケーションデザイン

 では、ユーザーの意思を汲み取る最も効果的な施策とはなんでしょうか。それは「ユーザーから直接ヒアリングすること」です。とはいえ、ユーザーは「情報が自動的に集まってくる」状態を求めており、積極的に意思やニーズを自由入力することはありません。

 そこでおすすめなのが、チャットの会話体験の中で随時ユーザーに「当てはまる」「当てはまらない」などの簡単な選択肢を複数提示すること。こうすることで、ユーザーが能動的に回答するハードルを下げるのです。「何と答えればいいのかわからない」という潜在ユーザーも、あらかじめ選択肢が用意されていれば、回答をする度に自ずと自身のニーズを分析することになるため、会話が進んでいくうちにニーズが顕在化していきます

 このように回答意欲を下げないコミュニケーションを提供することで、ユーザーが自覚していない意思・欲求の解像度を上げ、汲み取ることができるのも、1to1のコミュニケーションが可能なチャットの強みであると言えます。

 また、あくまでユーザーが自ら欲しい情報を取捨選択できるようにコミュニケーションを組み立てて配信することが重要です。こうすることで、ユーザーは自らのニーズを認識し、ごく自然に商品やアカウントへのエンゲージメントを高めることにつながります。

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情報収集の負担を排したUI設計にする

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この記事の著者

遠藤 竜太(エンドウ リュウタ)

株式会社Zeals 取締役COO

京都大学大学院ヒューマンインターフェース論 修了。研究者を志し、人と機械のインタラクティブを学ぶ。受賞歴:HIシンポジウム優秀賞など。テクノロジーの社会応用に目覚め、アドテクカンパニーFreakOutに入社、その後Zealsにジョイン。国内最速の2016年からチャットボットを活用したチャットコマースサ...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/02/10 09:00 https://markezine.jp/article/detail/32749

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