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アプリ内行動分析で訴求軸&クリエイティブを改善 継続率3倍を実現した「ラスクラ」のSNSマーケ

 本格RPGアプリとして人気を博す「ラストクラウディア(通称:ラスクラ)」。運営会社であるアイディスは、「SNSはユーザーとの大事な接点」と、アプリリリース前から積極的な活用を行い、現在は公式Twitterが情報発信とユーザーコミュニケーションの起点になっているという。アイディスのマーケターと、同社のデジタルマーケティングを支援するD2C Rの担当者に、ユーザーファーストのアプリ運用と勝つ広告クリエイティブ制作について話を聞いた。

熱量の高いファンが集まるTwitterコミュニティ

――「ラストクラウディア」(以下、ラスクラ)とはどのようなゲームですか?

羽入田:ラスクラは、3Dの美しい背景と緻密なドット絵のキャラクターが特徴のRPGアプリです。昨年4月にリリースし、現在130万ダウンロードを突破しています。「人と魔獣の絆が世界を変える」をキーコンセプトに、20代から上の男性ユーザーを中心にご支持いただいており、昨年の秋には英語版もリリースしました。

――ラスクラでは、SNSマーケティングに注力され、特にTwitterによるユーザーコミュニケーションを大切にされているとうかがいました。その理由を、教えてください。

羽入田:私たちは、SNSを運営とユーザーの重要なコミュニケーションポイントであると捉え、アプリリリース前から積極的に運用を進めてきました。その結果、ラスクラTwitter公式アカウント(@lastcloudia)のフォロワーの皆さんは、ラスクラへの愛が強く、ポジティブに遊んでくださる熱量の高い方々が多いんです。

アイディス コンテンツ事業部 プロモーション部 マーケティングディレクター 羽入田 新氏
アイディス コンテンツ事業部 プロモーション部 マーケティングディレクター 羽入田 新氏

八木:ゲームの更新情報など、オーガニックのツイート用素材は自社内で制作し、リツイート数やいいね数などの反応を見ながら、ユーザーの好みを理解した発信を心がけています。

 これまでは、生放送の公開収録など、ユーザーとリアルに接する機会も作っていましたが、社会情勢を顧みて、現在はTwitterに加え、YouTubeやゲーム配信のミラティブなど、オンラインによるユーザーコミュニケーションにより重きを置くようになってきています

アイディス コンテンツ事業部 プロモーション部 PR 八木 彩奈氏
アイディス コンテンツ事業部 プロモーション部 PR 八木 彩奈氏

――ユーザーとのコミュニケーションでは、どのようなことを重視していますか。

八木:ラスクラが進化している姿を、見せていくことです。その1つの取り組みとして、定期的なユーザーアンケートは欠かせません。ときには、私たちが想像もしていなかった意外な声を頂くこともあり、ゲーム運営の参考にしています。ゲームは生き物です。私も運営の中の人「あーや」として、ユーザーと一緒にゲームを作っていく姿を伝えたいと考えています。

DMPでアプリ内行動を分析し、施策を設計

――続いて、Twitterの広告施策についてうかがいます。ラスクラでは、どのような戦略で広告を運用していますか?

羽入田:Twitterでは、動画クリエイティブを使って、新規獲得の広告と、離脱・休眠ユーザーを対象としたリテンション広告を展開しています。CPIやCPD7(7日後のアプリ起動単価)、そしてROASなどのKPIを追い、クリエイティブと配信セグメントの掛け合わせによる勝ちパターンを見つける運用を、続けています。

今村:広告はクリエイティブが非常に重要です。新規・休眠ユーザーの獲得では、ラスクラの特長であるドット絵キャラクターを推したクリエイティブが良効果傾向にあり、アプリリリース以降、様々な訴求軸を検証しながらも、勝ちパターンとして継続配信をしています。

D2C R 営業本部 今村 学人氏
D2C R 営業本部 今村 学人氏

――では、リテンション広告の具体的な施策事例を教えてください。

羽入田:現在、インセンティブ訴求のリテンション広告を配信しています。ラスクラには、ゲーム序盤に「白の研究所」と呼ばれるポイントがあります。ゲームが盛り上がってくる重要なポイントですが、ユーザーの到達率が伸び悩んでいました。そこで、導入していたD2C Rさんの「ART DMP」を使って、ボトルネックを調査しました。

今村:ART DMPは、広告効果データのほか、インストール後のユーザー行動データを蓄積しています。白の研究所までの到達率を分析したところ、その手前のイベント地点であるチュートリアルの突破に課題があることがわかりました。

 その結果を受け、ラスクラのプレイ時に7日間連続ログインするともらえるユニット確定ガチャチケットをインセンティブに組み込み、その訴求を盛り込んだクリエイティブでリテンション広告を配信しています。

リテンション広告でインストール4日後の継続率が3倍に

――まずは、連続ログインでチュートリアル突破を目指したのですね。どのような結果になりましたか。

今村:インストール4日後の継続率が、iOS/Androidともに、3倍近く上がりました。また、チュートリアル突破率の向上に比例し、ROASも伸びたのです。現在も同様のクリエイティブを配信していますが、この広告経由のユーザーの売上とROASは良いですね。あわせて、白の研究所まで到達したあとのストーリー展開を匂わせるクリエイティブも配信し、その後の継続利用およびLTV改善へとつなげています。

――先ほど、広告クリエイティブの重要性をうかがいました。制作上のこだわりを教えてください。

安周:たとえインセンティブが訴求のメインになる広告であってもドット絵キャラクターをどう活用すればラスクラの魅力を最大限引き出せるか、メッセージが安っぽく伝わらないかを常に意識しています。特に動画クリエイティブは、最初の3秒の印象がとても重要です。最後まで広告を視聴してもらえるように、動画の導入部分はインタラクティブ性を持たせるなど、ユーザーに楽しんでもらえる仕掛け作りを心掛けています。

今村:また、配信セグメントも細かに調整しています。インストール後、3日後から60日後のログインがなく、さらに累計ログインも7日間に満たない休眠ユーザーをターゲットとすることで、よりダイレクトに訴求に合った休眠ユーザーへのアプローチを行い、復帰率と売上にも貢献できています。これは、クリエイティブと配信セグメントの掛け合わせが、うまくはまった事例だと考えています。

羽入田:D2C Rさんには、月ごとに訴求テーマを設定いただき、それに応じたクリエイティブ制作や広告配信設計をお願いしています。効果を見ながら、細かく配信セグメントの調整も行ってくださいますね。自社でカバーしきれないところを、サポートいただいています。また、ゲーム内容を理解しツボを心得たクリエイティブには、安心感があります。

ユーザーの反響が、Twitter広告スコアを高める

――配信メディアによって、最適なクリエイティブも変わるかと思います。Twitter広告の制作で、気をつけていることはありますか。

安周:Twitterは、話題の拡散性に非常に優れたメディアだと感じています。ですので、エンゲージメントの獲得を狙ったクリエイティブ制作は意識していますね。リツイート数やいいね数が多いとユーザーを通じて広告が拡散されるので、より多くの人に広告が発信される点は非常に大きな強みと捉えています。さらに、もし広告に好意的なコメントが付いていたり、いいね数が3桁を超えていたら、コメント欄を通じてラスクラへの興味関心が高まる可能性がある点にも着目しています。逆に、悪意あるコメントが溢れてしまった場合の拡散も早いので、そこは楽しさと誠実さの塩梅に気をつけながら、制作に取り組んでいます。

 また、ソーシャルリスニングでユーザーの生の声を聞くことも大切にしていますね。インサイトを理解した広告は、ユーザーからの共感を得やすく、結果、広告の成果にも繋がると感じているからです。

D2C R クリエイティブ・プランナー 安周 里佳氏
D2C R クリエイティブ・プランナー 安周 里佳氏

八木:広告に利用するクリエイティブ素材の提供や、キャンペーンのスケジュールの共有など、いつもギリギリになりがちな中、D2C Rさんには柔軟にご対応いただいています。また、ミーティングの頻度も多く、丁寧なコミュニケーションとサポート体制が整っているなと感じます。

安周:ありがとうございます。まだまだ、ラスクラの魅力、特にストーリーや育成システムの奥深さ、音楽の完成度の高さなどはクリエイティブに生かしきれてないと感じているので、今後も様々な訴求軸を模索していければと考えております。

勝ちパターンの訴求軸を増やし、アプリの成長に貢献したい

――最後に、ラスクラの今後の展望やユーザーコミュニケーション、プロモーションで目指したいことを教えてください。

羽入田:応援してくださっているユーザーの皆さん、そしてまだラスクラをプレイしたことのない方、幅広い層を対象に、Twitterからバランスよく情報をお届けしたいです。今後も、大型アップデートとなるマルチ機能の開発や、コラボやゲームの進化も続いていきます。中身の濃いゲームにしていき、多くの方に遊んでいただきたいと思います。

八木:反響の高かった企画をさらに喜んでいただけるように改善しながら、新しいことにもチャレンジしたいと考えています。これからもD2C Rさんには、ラスクラの進化にあわせて、最適なクリエイティブの追究・広告運用をご支援いただきたいです。

――D2C Rさんは、どのようなサポートを行っていきたいですか。

安周:引き続き、ART DMPのデータとユーザーインサイトを活用し、継続率やROASの最大化に努めてまいります。また、ラスクラを愛してくれるユーザーを一人でも多く呼び込みたいという想いもあります。そのために、親和性の高いユーザーの分析と、心を動かす新しい広告表現を追求し、様々な演出に挑戦していきたいです。

今村:クリエイティブ×ターゲットの上手な掛け合わせを追い求め続けることは、ユーザーにラスクラの楽しさを知って頂く為の入り口だと考えています。今後も改善を繰り返しながら、まだラスクラをプレイしていない新規ユーザーや、離脱してしまった休眠ユーザーへのコミュニケーションを実施していきたいです。

 また、最近はアプリ内のイベントをフックに、休眠ユーザーの呼び起こしを仕掛けたいと考えています。リリースから未だに急成長を続けているラスクラをより多くのユーザーに知ってもらう為に、アイディス様と情報共有・連携を取りながら、各イベントに特化した広告配信と、その効果の最大化に取り組みたいです。ラスクラの魅力は、一言では表し切れないくらい多様性に富んでいます。それらを熟知したD2C Rの広告クリエイティブで、今後ともアプリの成長をご支援していきたいと思います。

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/27 10:00 https://markezine.jp/article/detail/32981