ファクトデータマーケティングをワンストップで提供
このように企画からデザイン、データセグメント、来店などの効果検証までワンストップで代行できるのは、ロイヤリティ マーケティングの持つファクトデータによるマーケティングの特徴と言えるだろう。
「特にDMは1通あたりの金額も高く、紙のクリエイティブを作る知識と手間が必要になる上に、広告効果の可視化が難しいメディアです。対して当社にはDM企画からデザインまで対応するチームがあり、さらにPontaカード提示によってコンバージョン(来店/購入)が可視化できる。クライアントに手間をかけさせません」(鈴木氏)
今回DM施策を行ったはま寿司は、Pontaポイントが利用できる提携企業だったが、提携していない企業でも同様の施策はもちろん可能だ。許諾を含めてきちんと管理された個人情報による会員データとなっているので、新規獲得から既存顧客のCRMまで様々な用途での活用が期待される。
ファクトデータを強化し、失敗しないプロモーションを
最後に、今後Ponta IDを活用したマーケティングをどう進化させていきたいか、3名の考えを語ってもらった。
まず、吉崎氏は「IDベースで過去の様々な広告反応結果データを持っているので、事前のシミュレーションがCPAレベルで可能」とした上で、「IDベースのファクトデータの質と量をより強固にし、失敗しないプロモーションを実現していきたい」という。
「たとえば消費財メーカーであれば、消費データをファクトデータとし、購入商品に関連した商品の訴求が可能です。加えて、ターゲットのニーズに合わせたタイミングでアプローチしていくといった広げ方も考えられます。一方で保険や不動産など、人生で数回しか検討タイミングがない業界においては、行動データ、利用チャネルや利用金額をもとにアルゴリズムを作って中長期的なアプローチを行うなど、各業界に合わせた提案を行っていきたいです」(吉崎氏)
続いて鈴木氏は、現状のデジタル施策における限界についてコメントした。
「デジタルはアドベリフィケーションの問題やcookie計測の限界などもあり、壁にぶち当たっている方もいると聞きます。我々はデジタルに加えてDMのようなリアルチャネルを含めた支援ができるため、そうした悩みを解決していきたいです。また、IDベースでデータが蓄積され続けるのが我々の強みだと思っているので、そのデータを活用した提案に引き続き取り組んでいきます」(鈴木氏)
最後に森角氏は、調査分析担当者の目線から今後の展望を語った。
「クライアント企業の多くは、DMやメール、分析・調査など施策単位で部署が分かれていますが、我々はどの部署の方に対しても提案することができます。マーケティングで困っていることがあれば、それに対応できる幅広い打ち手があるということを、より多くの方に知ってもらえる活動をしたいです」(森角氏)
2020年3月に10周年を迎えたPontaは、これから様々な業界と新たな取り組みをしていくという。Cookie規制の話題に限らず、その動向に注目が集まりそうだ。