LINEリサーチの特長を生かした3つの調査事例
続いて地福氏は、LINEリサーチの3つの大きな強みについて説明し、それぞれ調査事例を紹介した。
生活者の「場所」をベースに調査可能
ひとつ目は、スマートフォンの位置情報を活用して、「地点」にもとづく調査ができること。特定の地域や地点にいるユーザーを対象にした調査が可能で、商業施設内での行動調査や生活行動パターンの調査、特定地域での広告成果の測定など様々な目的に応じて調査を設計できる。なお、事前に位置情報利用の許諾を得たユーザーのみが対象となる。
地福氏が紹介したのは、千葉県にある「柏駅」「流山おおたかの森駅」の2つの駅の利用者に対する調査。この調査では、それぞれの駅から1キロ圏内にいる人と2キロ圏内にいる人を抽出し、利用する駅やよく訪ねるショッピングモール、外食の回数などを調査。加えて、家族構成や持ち家の有無を聞くことで、それぞれの圏内にいるユーザーの行動パターンや特性も分析した。
その結果、駅から2キロ圏内にいる人は、利用する駅やよく行くショッピングモールが複数になるなど行動範囲が広がる反面、外食の機会は減るという傾向が見られた。
特定エリアにおける調査でこれだけのボリュームが出るのは、LINEリサーチだからこそである。多くの生活者にアプローチでき、様々な条件のエリア分析に活用できるのだ。
従来ではなし得なかった層への調査
2つ目に、LINEユーザーであれば「誰でも」調査対象にできる点がある。自社のユーザーや顧客以外に調査を広げ、潜在的なニーズを探ったり、顕在化していない層にアプローチしたりする際に活用できる。
この特長を説明するために地福氏が紹介したのは、本田技研工業が開催するイベント「Enjoy Honda」でのLINEリサーチ活用事例。
本田技研工業は、イベント会場でアンケート画面に遷移するQRコードが記載されたカードを配布し、アンケート調査を実施。イベントにもともと興味を持っている層や顧客に加え、隣接会場で開催されていたイベントの来場者にもカードを配布しアンケートに回答してもらうことで、幅広い対象者の潜在的なニーズを探ることができた。それまであまりリーチできていなかった若年層や車に少し興味がある層に接触できたことも大きな成果だったという。
LINEユーザーなら「誰でも」調査対象になることを効果的に活用した事例だ。
広告最適化に活用している企業も
3つ目の強みは、広告の効果測定や成果の最大化にも活用できること。LINEリサーチでは、自社以外のモバイルアドネットワークを横断して配信効果を測定するサービスを提供しており、実際に広告配信後のブランドリフト調査にLINEリサーチを活用する企業も多いそうだ。
「LINEリサーチはモニター数が多く、該当する調査対象が出やすいため、実施困難な小規模スケールでの案件も調査可能なことが多い」と地福氏。
また、ユニークなサービスとして、広告効果を最大化する「カスタムシードサーベイ」もある。これは広告配信の対象者の特徴をLINEリサーチを使って調査を行い、その条件データをもとにLINE広告を拡張配信するというもの。このサービスを使ったある有料コンテンツのサービス事業者は、CPIが従来のLINE広告の10分の1まで下がったという。