二次流通を踏まえたマーケティングが持つ可能性とは?
MZ:アパレルに限らず、家電など様々なカテゴリーで連携するメリットがありそうですね。

野辺:現在、メーカーの商品は高付加価値なハイスペックな商品とライトユース向けの低価格商品に二極化が進んでいると思っています。その中で生まれるのは、ライトユース層からヘビーユース層への転換が難しくなるという課題です。その課題によって、ハイスペック商品はロイヤリティの高いお客様のみに向けたアプローチにとどまってしまうこともあるかと思います。
しかし、ライフサイクルが長い商品になると、数年前の最新機種が現在の最新機種のトライアルになるケースもあります。たとえば、数十万円するデジタルカメラの最新機種があったとき、いきなりその機種は購入できないけれども、型落ちであっても高機能な機種をメルカリで買って試してみるといったこともできると考えております。
さらに新製品に対するトライアル促進として、今後メルカリでは一次流通企業の自社ECに送客するような導線も追加していく予定です。
MZ:二次流通を踏まえたマーケティング活動ができる環境を用意することで、「商品のライフサイクルを見える化」し「ライトユースからヘビーユースに転換する」ご支援を行っていくということですね。
現在のデータ連携に関する状況は?
MZ:現在行っている具体的な連携について教えていただけますか。
野辺:いくつか行っていて、たとえばECサイトの「SHOPLIST」とは、連携によって同サイトで購入した商品を簡単に出品できるようにしています。また、コーディネート投稿機能を持つ「STAFF START」というサービスとは、同サービスのコーディネート画像と連携することでメルカリの類似商品や各アパレルECの新品同一商品への遷移を促す取り組みを行っています。
その他にも、今後丸井様の運営するECサイト「マルイウェブチャネル」とメルカリのデータを連携する取り組みもスタートしました。
これにより、マルイウェブチャネルで購入した商品をメルカリの持ち物リストに反映して出品しやすくしたり、メルカリでの商品検索時にマルイウェブチャネルの商品を表示して商品の選択肢を増やしていくことが可能になります。さらに、丸井様の商業施設に出店しているブランドの売上活性化を促す提案や商品開発のフィードバックなども行っていく予定です。