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複数ツールを使った独自の活用が増えている 先進企業が語る「選定と組み合わせ」の条件

複数ツールを組み合わせる「ベスト・オブ・ブリード」

安成:確か、パルではメルマガ会員とアプリ会員とLINE IDの紐付けにも取り組まれていますよね?

堀田:そうですね。それで顧客を一元管理して、分析や訴求の出し分けをしています。

安成:各チャネルを横断的に連携して訴求したり、会員IDを一元化したりするには、テクノロジーツールの活用が不可欠になると思います。たとえばアメリカでは、多くの企業が20以上のマーケティングテクノロジーを活用し、大企業ほど組み合わせての活用を進めているというデータもあります。

 同一のベンダーの製品やスイート製品を使う「オール・イン・ワン」に対して、各分野で最良のツールを選択して組み合わせて基盤を構築することを「ベスト・オブ・ブリード」と呼びますが、アメリカの潮流は後者なのかなと。パルと一休ではそれぞれ、どのようにテクノロジー基盤を構築されているのですか?

MarkeZine編集長 安成蓉子
MarkeZine編集長 安成蓉子

堀田:当社は、ベスト・オブ・ブリードの考え方です。そもそもテクノロジー企業ではなく、原点は商品を作ってお店で売るというレガシーな会社なので、単一の最新システムで事業を大きく推進しよう、という絵は描けない。あくまで現状の課題に照らして、各領域のサービスをしっかり目利きして地道に組み合わせていっています。今は、基幹システムとしてのEC基盤に、顧客接点に関するいくつかのプラットフォームを導入しています。

北村:それは、ツール同士で連携しているんですか?

堀田:そうです、僕のほうでツールを提供する会社間をつなげて、要望を出してすり合わせることが多いですね。難しさはありますが、そうした調整を一生懸命やっています。

カスタマイズ範囲が広いか、他社とも組める柔軟性があるか

榊:それ、普通はもめますよね?

堀田:そうですね(笑)。やはりツールの思想もそれぞれ違うし、かみ合わない部分もありますが、そこはこちらから各社にどのような形で連携してほしいかを具体的に描いて。で、A社とB社のツールが連携したら、それをどうぞ他社にも売ってください、うちもリリースに事例協力します、という形で進めています。

 同じ“CRMツール”といわれるものを2つ使っていたりするのですが、うちの観点だと役割が違っていて、やりたいことが単一ツールではできないからなんです。それと、高度でもエンジニアがいないと使いにくいツールだと、そればかりに頼れないという点もあります。前述のようにテクノロジー企業ではないので、エンジニア領域の人的リソースがほぼない状態で回せることも、ツール選びの基準です。

北村:ということは、運用は内部ですか?

堀田:そうですね。専門性が高いところでいうと、Webデザインは内製しています。今のところ、Webデザイナーが中にいるだけでも打ち手はかなりつくれているので、これ以上の専門人材を抱える予定もないですね。

北村:目利きとおっしゃいましたが、そもそも数あるツールの中で選定するのが相当タフですよね?

堀田:そうなんです。僕もIT領域の専門家ではないので難しいのですが、先ほどの専門人材がいなくても使えることに加えて、強固な内製の基盤があるわけではないので、自由度が高いのも重要な観点です。完璧だと謳うスイート製品より、デフォルトが粗削りでもカスタマイズ範囲が広かったり、それこそ他社とも柔軟に組める姿勢があるかどうか、そういった点が当社にとっては大事です。

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ベスト・オブ・ブリード型が増えている理由

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/01 10:32 https://markezine.jp/article/detail/33212

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