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ウェビナーはリードナーチャリング向き!成功させる2つのポイントと階段設計への組み込み方

エリアを選ばずリードナーチャリングに活用

MZ:「とりあえずオフラインセミナーをオンラインでやればいい」と考えていると、うまくいかないようですね。ウェビナーはリードナーチャリングに向いていると教えていただきましたが、具体的にどんなところが向いていると言えるのでしょうか? また、ウェビナーがオフラインのセミナーよりも優れていることはありますか?

河村:いったん商談をした後にウェビナーに参加していただき、その後再度フィールドチームがお話しさせていただくことで成約がしやすいと感じています。

 これまでは、セールスチームが説明した後に、セミナーにお誘いしても遠かったり、予定が付かなかったりで参加が難しいというケースがありました。簡単に参加できるウェビナーを見てもらって、製品の機能、使い方、事例を聞くと、お客様の方でイメージが湧き、すぐに成約に向けて動くという例が出ています。

 ウェビナーの長所には、大人数と一気に接触できること、エリアを選ばないことの2つが挙げられます。中でも、エリアを選ばないという長所は重要です。我々はこれまで東京でしかオフラインのセミナーをしていなかったのですが、ウェビナーになると様々な地方の企業に参加いただけるようになりました。実際に成約まで進捗している案件もあります。「以前から興味はあったが、自分たちの地方でセミナーがなかった。ウェビナーを開催してくれたのはありがたい」という声をいただいています。

離脱率やリードタイムの長さが課題に

MZ:御社ではBtoB企業のウェビナーの現状について調査をしていると伺いました。実際にどのような効果が出ているのでしょうか?

河村:SaaS企業を中心に数社に聞き取りをしたところ、ウェビナー初回はリアルのセミナーと比べると申込数は大体5倍、その後は2.5倍から3倍前後に落ち着くことがわかりました。ウェビナーは参加率も高く、セミナーの60%を上回る75%程度です。我々の場合はセミナーが62%だったのに対し、ウェビナーは75%でした。

 一方で、ウェビナー中の離脱率は課題です。参加者の5~10%が途中で抜けています。参加しやすいため参加率が10%程度アップしても、内容が違うと思ったら途中で5%抜ける――つまり実際は微増と言えます。

 また、ウェビナー後にアポイントの獲得が可能であることもわかりました。ウェビナーからアポイントが取れないという声も聞きますが、ちゃんとアンケート結果と紐づけて対象を絞って電話をすればアポイントを取れるというデータがあります。ただし、リードタイムが長いということもわかりました。受注までの検証はできていませんが、弊社の状況を見ているとオフラインと比べるとリードタイムは長くなりそうだと感じます。

「人気セミナーのサマリー版」から始める

MZ:これらのことを踏まえると、ウェビナーを効果的に実施するにあたって重要なポイントは何になりますか?

河村:ウェビナーの「型」には、2つのポイントがあります。

 1つ目は時間で、顧客の集中力が切れない40分ぐらいがちょうどいいと思います。我々の場合、オフラインセミナーは90分が定型でしたが、ウェビナーに切り替えてからは45分に、共催の場合は60分にしています。

 時間内に終わることも大切です。セミナーではたとえ10分延長してしまったとしても多くの人が最後まで聞いてくれましたが、ウェビナーでは時間が来ると離脱する人が多いです。次の業務や会議がWebで控えているのかも知れません。ウェビナーは時間延長せずに予定時間内におさめるようにすべきです。

 2つ目として、最初は既存の人気セミナーをまとめたサマリー版を作ってウェビナーとして提供すること。ウェビナーを一から新たに作ると、オフラインからオンラインという不確定要素、中身が異なるという不確定要素、と不確定要素が2つもあります。その場合、うまくいっても/いかなくても、原因の分析が難しい。人気のセミナーからウェビナーを作れば、不確定要素を1つに減らせます。また、人気セミナーなのでこれまで参加できなかった人が参加してくれる可能性も高そうです。

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目標はコメント数増加ではなく最後まで聞いてもらうこと

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この記事の著者

末岡 洋子(スエオカ ヨウコ)

フリーライター

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/05 09:00 https://markezine.jp/article/detail/33404

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