2010年代:スマホとSNSの台頭でさらなる変化が
2010年代になると、スマートフォンとソーシャルメディアの台頭によって、BtoBマーケティングはさらに変化します。スマートフォンの登場以降、いつでもどこでもインターネットにつながっているという状況が生まれたわけです。
それ以前は、BtoBマーケティングの対象となる企業の担当者はPCの前にいるという想定で、Webやメールによってリーチしていました。そのアプローチに変化が生じ、会社から離れた場所でもインターネットにつながっている人たちに対して発信できるようになり、BtoBにおいてもソーシャルメディアが重要視されるようになりました。
「スマートフォンやソーシャルメディアはパーソナルなものなので、BtoBの場合はあまり効果がないのではないか」と思われるかもしれませんが、少し補足します。
繰り返しになりますが、企業の購買プロセスのなかでは、複数の人が意思決定に関与します。起案をする人や承認をする人、こういった人たちも結局は人間なので、デジタル時代もリーチするべき対象はやはり「人」なのです。
そのように考えると、意思決定に関与する人に対してよりパーソナルに響くアプローチとして、ソーシャルメディアには大きな影響力があります。たとえば FacebookやTwitterなどのソーシャルメディアは、企業のリーチすべき人に対して、潜在的に訴える効果が期待できます。そして、ソーシャルメディアのアカウントの運用や広告の管理なども、BtoBマーケターに必要なスキルになってきたのです。
2020年代に突入した現在では、多様なツールやチャネルが活用され、顧客ごとのパーソナライズも進んでいます。BtoBマーケティングにおいても、より洗練されたサービスやコンテンツを作る必要が生まれています。
2020年の現在、クリアすべき課題は?
ここまで、インターネットの登場とデジタル化によるBtoBマーケティングの変化を見てきました。ともすると一気にデジタルの方向に進んできたという印象を持たれたかもしれません。
しかしBtoBマーケティングにおいては、すべてがデジタルで完結するわけではなく、「デジタルとアナログの組み合わせが重要」です。実際に、デジタル化を牽引してきたソフトバンク、楽天、サイバーエージェント、リクルートといった企業は、強力な営業体制で知られています。企業の「稼ぐ力」の源泉であったアナログの営業力をデジタル化に取り込むことが大切になるでしょう。
営業に限った話ではありません。最近は新型コロナウイルスの影響で、大規模な展示会やセミナー・イベントが中止に追い込まれ、案件創出の最初の重要なプロセスとしての「リード(見込み客)獲得」の手段が、デジタルのみになりました。またテレワークが日常化してきたことで、インサイドセールスや電話営業が成立しなくなっています。今後は、大規模な展示会とオンラインイベントの融合、オフラインのセミナーとウェビナーとの融合など、デジタルとアナログの組み合わせがより加速していくと思われます。
これからの時代、BtoBのマーケターには成果を出すということが今まで以上に求められるでしょう。アフターコロナ、ウィズコロナ、ニューノーマルという時代のBtoBマーケティングのあり方をみなさんと一緒に考えていきたいと思います。次回は、そのための「デジタル+アナログ」のBtoBマーケティング戦略について紹介する予定です。
【新任BtoBマーケターのための基礎・基本】、2本目の記事は7月公開です。お楽しみに!