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「#ツイートラブレター」で想いを伝える 浦和レッズが取り組むコロナ時代のTwitter活用

「社会の一員として何ができるか」を考えた

──確かに、日本のTwitterでは、そのような関わり方が少ない印象があります。一方で、コロナ禍という共通の課題に対して、#ツイートラブレター以外にも、「手洗いうがいをしよう」など、著名人による発信が増えましたね。

長澤:自分たち選手はサッカーをすることが仕事ですが、浦和レッズの一員としてもJリーグのクラブの一員としても、コロナ禍のような重大な社会問題に対して自分たちが立場を明らかにすることは、ファンやサポーターの皆さんが「社会に対して何ができるか?」を考えること、実際にアクションしていくことにつながると僕は思っています。

長澤:Twitterというプラットフォームがあったからこそ、選手は言葉を伝えられますし、Twitterさんもこの状況下で何が必要かを分析され、一緒に組んでくださったことが大きかったです。そして、クラブの理解もありました。

松本:長澤選手が言った通り、私たち浦和レッズはプロサッカークラブですが、社会の一員であることは変わりません。サッカーの試合ができない、クラブとしてこれまで通りの活動ができない中、社会の一員としての役割をどう果たしていくか。その手段として、SNSというプラットフォームを活用させていただいたと考えています。

 今回は選手たちも積極的に参加してくれたことが、取り組みを最大化し、大きな広がりとなり、皆さんに喜んでいただけたと思います。

リアルの場ではできない交流を、Twitterで作る

──浦和レッズでは、#ツイートラブレター以外にも、ステイホームを伝えるTwitterのコミュニケーションを展開されていたそうですね。

松本:はい。「STAY HOME with REDS」をテーマに、選手からの動画コメントやクイズなどのツイート、Twitterライブ配信を行いました。Twitterライブの目的は、あらゆるステークホルダーの方と、時間を共有することです。行う時期、その目的とゴールを設計し、選手やOBの方たちにも参加いただきました。

 たとえば、公式メンバーシップの「REX CLUB」の会員の中から、抽選でライブ配信にご招待し、直接選手と会話する機会を作ったり、ハッシュタグでいただいた質問にリアルタイムで答えたりする企画などを行いました。

 5月5日に行った、『こどもの日もおウチで浦和レッズ~#stayhomewithreds~』では、第1部と第2部の合計で4万人ほど視聴いただきました。また、5月12日の看護の日には、クラブとして医療従事者の皆さまへ感謝の気持ちを伝えたいと考え、メッセージ入りの背景を用意し、「答えて浦和レッズ~看護の日スペシャル~#stayhomewithreds~」をライブ配信しています。

──ファンやサポーターからの反響はいかがでしたか。

松本:「企画を続けてほしい」「楽しかった、久しぶりに腹を抱えて笑った」などの声をいただき、本当に嬉しいです。また、試合を起点としていないコミュニケーションであるにも関わらず、試合があるときと比べても、ファン・サポーターの皆さんからのコメント数、リツイート数などの数値に差が出ていないことにも、驚いています。

 試合の展開に応じて、ファンやサポーターからのオンライン上のリアクションには変動があるものですが、今回のTwitterによる施策は、広報メンバーやオウンドメディアのスタッフがアイデアを考え、そして選手が協力してくれたことで、試合があるとき以上の数値的な結果が出ているんです。みんなが、試合がない中でも、ファンやサポーターとコミュニケーションを取りたいと考えたからだと思います。

長澤:試合に関する発信がメインだったコロナ以前と比べ、今はどんなコミュニケーションやアプローチが正解かはわかりません。コロナ禍で、選手やクラブのみんなが、「これまでと違う取り組みを色々とやっていこう」と考えていた経緯がありますので、#ツイートラブレターを始めとしたデジタルを使った新たな取り組みができ、選手としてすごく良い経験をさせていただきました。

 緊急事態宣言が解除され、少しずつスポーツも再開へ向けて進んでいますが、選手として、クラブとして、wifh/afterコロナ環境でのTwitterの使い方を、考えていかなければと思います。

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試合の熱狂や応援の声を、オンラインでつなぎあいたい

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この記事の著者

マチコマキ(マチコマキ)

広告営業&WEBディレクター出身のビジネスライター。専門は、BtoBプロダクトの導入事例や、広告、デジタルマーケティング。オウンドメディア編集長業務、コンテンツマーケティング支援やUXライティングなど、文章にまつわる仕事に幅広く関わる。ポートフォリオはこちらをご参考ください。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/06/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33622

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