LINE公式アカウントの活用データを活かし、新規顧客獲得を効率化
MZ:確かに、クレジットカードは申し込みの獲得がゴールではないですよね。
福田:先ほど、ユーザーの獲得時からLTVの観点も意識するようになったとお話ししましたが、当社の「Have a good Cashless.-いいキャッシュレスが、いい毎日を作る。-」という世界観への共感から会員化を経て継続利用につなげるため、どのようなデータ戦略が有効なのかを模索していました。
そこで、当社の会員向けWebサービス「Vpass」のIDとユーザーのLINEアカウントを連携し、その上で得られた顧客データを基に、LINEさんのクロスターゲティングを活用したオーディエンスの拡張配信を塚原さんから提案いただきました。
MZ:クロスターゲティングの詳細を教えていただけますか?
塚原:LINE広告、LINE公式アカウント、LINEポイントADなど、LINEは複数の法人向けサービスを広告主様に提供しています。これらを横断する形で運用データを活用できるのが「クロスターゲティング」です。企業が保有するデータをLINE内の複数サービスで最適に利活用できるようにすることで、効率的な広告配信が実現します。今後は、施策の結果もユーザーの行動を含めて横断的に可視化・分析し、効果の最大化も図れるようになる予定です。
塚原:三井住友カードさんでは、昨年からLINE公式アカウントを活用して既存会員向けに情報発信やサービスを展開されていました。その方々のデータを分析し、新規顧客獲得のための広告配信に活かすことを提案しました。
ロイヤル顧客と似ているユーザーへ拡張配信
MZ:三井住友カードさんがLINEのサービスを活用された経緯について教えてください。
久保:先ほど福田が「認知から申し込みまで」と話したように、Web広告もフルファネルで一気通貫したコミュニケーションを実現できるよう、認知~獲得、その先の利用までの各フェーズで実行可能なメニューを持つ媒体を選んでいました。LINEは昨年度から導入していますが、年齢、地域、その他属性に偏りなく8,400万(2020年6月末時点)ものユーザーを擁するプラットフォームは他にありません。また、1日のうちでユーザーが何度もアプリを利用するので、広告配信のリーチやLPへの流入にも期待でき、獲得にまでつなげられるのではないかと考えました。
MZ:久保さんのお立場から、クロスターゲティングにどういった期待がありましたか?
久保:ひとことで言うと、まだ出会えていない潜在的なロイヤル顧客との出会いにつながるのではないかという期待がありました。VpassのIDを持っている時点で普段から弊社サービスをご愛顧いただいていると認識していますが、さらにひと手間かけて普段から利用されている自身のLINEアカウントと連携している方はさらにロイヤルティが高いと推測し、LINEで得られたデータと当社のデータを統合した上でクロスターゲティングを活用した広告配信ができれば、リーチの質が高まると考えました。
MZ:クロスターゲティングの実施時期と具体的な取り組み内容について教えてください。
久保:実施時期は、2020年の2月からです。LINE公式アカウントを友だち追加していて、かつ直近で一定額の利用がある方のデータを抽出し、その属性に近いオーディエンスを類似拡張してLINE広告を配信しました。