SDGsを絡めたPRのポイントとは?
平地:「SAVE LIONS」のプロジェクトを進めていく上で、どういったことを意識しましたか。
後藤:意識していたのは、ライオンズというプロのスポーツチームが持つ影響力を全面に活かすこと、そしてこれまで動物保全やSDGsに興味・関心が薄かった人にも知ってもらえる、関わってもらえることです。
たとえば、2019年8月7日のホームゲーム時には「SAVE LIONS DAY」を開催しました。監督・選手・コーチがプロジェクトオリジナルロゴ入りキャップを着用し、来場したファンクラブ会員にも選手が着用したものと同じキャップを配布しました。また、会場内にライオンの現状に関するパネル展示や募金活動もあわせて実施することで、来場者の方に啓発活動が行き渡るようにしたんです。

平地:やはりこういったリアルのイベントとPRを絡めるのは非常に効果的ですよね。全体のPR設計やto doはどのように洗い出し、プランニングしていったのでしょうか。
後藤:先ほどお伝えしたように、動物保全やSDGsのことがよくわからない方でも参加しやすいことが重要です。そのため、それを前提としたアイデアを数多く出し、チームの状況を加味しつつ設計しました。
実際に行った施策の例を挙げると、ホームゲームで選手が打ったホームランの本数に連動して寄付を行う、特設SNSを立ち上げて国内外に啓発する、特定のハッシュタグでツイートすると10円寄付するなどですね。

寄付支援を促しながら動員数増加にも寄与
平地:施策によってどのような成果が得られましたか。寄付金の額はもちろん、PRとしての成果もあると思うのですが。
後藤:寄付金の総額は250万円でした。正直ライオンの保護活動は複雑で、それによってどれだけのライオンが助かるということは明確化できないのですが、今回連携した「WildCRU」の活動費としてきちんと使われています。
PRの成果に関しては、合計271媒体に掲載され、非常に多くのメディア露出が得られました。また、試合の観客動員数にも寄与しており、「SAVE LIONS DAY」に関しては数千人の動員効果があったと我々で試算しております。このように観客動員数も増やしながら、ライオンの保全活動に関する興味関心を促し、気軽に寄付支援に参加できる仕組みを作れたことは非常に良かったと思います。
また、今回のプロジェクトでは、社名に「ライオン」が付く企業やスポーツチームにも協賛や賛同いただくことができました。国内外様々な企業・チームが関わっており、この成果もライオンズだけではなく、協賛企業や賛同したスポーツチームの力もあって得られたものだと考えています。