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スポーツ×デジタルマーケティングの現在位置を探る

ライオン保護の啓発が、来場・メディア露出に寄与!西武ライオンズに学ぶ、PR×SDGsの仕掛け方

スポーツチームをハブにコミュニケーションを広げる

平地:今回の取り組みはスポーツナビ主催のスポーツPRアワードで最優秀賞を受賞するなど、業界的にも非常に成果の出たPRだったと思います。今回の取り組みを通じて得られた気づきや学びはありますか。

後藤:国内外に関係なく、様々な企業やスポーツチーム、団体と協力するポテンシャルに気づけたことですね。「SAVE LIONS」を通じて、普段お付き合いのない大学や企業、スポーツチームと一緒に取り組みをしたことが、今回の成果につながっています。

 他の活動でも転用できると思いますので、今後も今回の経験を活かしていきたいと思います。

平地:スポーツチームや団体には、ファンや企業をつなぐハブになる力があると思っています。通常は、スタジアムをハブにしてファンとスポンサーをつないでいますが、今回は球団自体がハブとなり、様々な人・企業・団体をつないでいった。このハブになる力は、他のスポーツチームや団体にもあると思うので、ぜひ参考にしてほしいですね。

後藤:今回は、ライオン保護という世界規模の問題だったため、協力者を世界まで募っていきましたが、普段我々が向き合っているのは地域です。たとえば、地域の子ども支援では野球人口の増加、そしてライオンズのロイヤルカスタマー化を目指していますが、それがきっかけで親子のコミュニケーションも生まれており、感謝のお手紙をもらうこともありました。

 スポーツチームとして、地域とつながることも引き続き強化していきたいと思います。

観戦スタイルの変化に合わせPRも変える

平地:日本のプロスポーツの中でも野球は観客動員が多いので、社会貢献による影響も非常に大きく、取り組むこと自体がとても重要だと思います。今後も、このような社会貢献やSDGsを加味した取り組みは求められてくると思いますが、企画する際に何が重要になると思いますか。

後藤:ファンとスポンサーを最大限巻き込む設計です。今回の企画では、自社の持つリソースを余すことなく使い、ライオンズならではの発信ができました。

 また、気軽に参加できるスキーム作りも重要だと思いました。あくまで、我々の大きな目的は観客動員を増やすことなので「試合に来たら、社会貢献できた」くらいライトに参加してもらえることがまずは肝心です。

平地:気軽なスキーム作り、重要ですね。今回もスタジアム内のイベントやハッシュタグを付けたTwitter投稿など、気軽に参加できるものが多かったと思います。では、最後に今後のPRの展望を教えてください。

後藤:ライオンズとしては、今後もSDGsの一環として「SAVE LIONS」プロジェクトは続けていく予定です。今回は試合会場での寄付が中心でしたが、今後球場外でも寄付が募れるようなプロジェクトにしたいです。

 また、本当は様々なPR活動やイベントを考えていたのですが、新型コロナウイルスの影響で大きく修正する必要が出てきました。ついに開幕することはできましたが、当面は無観客で、今後は球場にお越しいただけるお客さまの人数を段階的に増やしていくことを検討しているので、球場や自宅など、様々な観戦スタイルに合わせたPR施策をどんどん仕掛けていきたいです。

平地:現状だと、SNSやデジタルを駆使したPR活動が非常に重要になっていくと思います。すでに何かデジタル上での取り組みは進めていますか。

後藤:はい。たとえばWeb会議システムを活用してファンクラブ会員の方向けに選手への質問会を始めたり、同じ西武グループのプリンスホテルの客室を活用したリモート観戦プランを用意したりと、デジタル技術を駆使した新たな体験は模索しているところです。

 オンラインの質問会はファンクラブ会員の中から抽選で100名のみの参加でしたが、参加者の満足度も高くメディア露出も得られました。

平地:オンライン化の取り組みも非常に早いですね。今回のインタビューはSDGsを絡めたPRが中心でしたが、今後もこのような活動は他のスポーツチーム含めて積極的に行われるべき領域だと考えています。「SAVE LIONS」は気軽に参加できるスキーム作りや国内外含めた広げ方など、PRのベストプラクティスとなる事例だと思うので、ぜひ参考にしていただきたいですね。

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この記事の著者

道上 飛翔(編集部)(ミチカミ ツバサ)

1991年生まれ。法政大学社会学部を2014年に卒業後、インターネット専業広告代理店へ入社し営業業務を行う。アドテクノロジーへの知的好奇心から読んでいたMarkeZineをきっかけに、2015年4月に翔泳社へ入社。7月よりMarkeZine編集部にジョインし、下っ端編集者として日々修業した結果、2020年4月より副...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2020/07/01 08:00 https://markezine.jp/article/detail/33678

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