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運用型広告時代の要!トレーディングデスク最前線(AD)

「リアル店舗の強みは維持し顧客接点を広げていく」フィッツのインハウス戦略が机上の空論にならなかった訳

ベストな組織編成とは?現場社員からもアイデアが集まる

――では、具体的にどのように体制構築を進めていったのか教えてください。

高瀬:一段階目として、現状の整理と課題設定を行いました。そこでのアクションは2つに大別されます。まずは理想的な組織体制について明確化していく作業です。人員配置からどのような人材に来てほしいかということまで、議論しながら固めていきました。

 次にブランドをひとつ選定し、描いた体制で実際に運用してみました。そのブランドで過去何をやってきたのか振り返り分析を行い、外部パートナーとのコミュニケーションフローや、オリエンにおけるポイント、出てきたプランニングに対してどういう観点で見ることが必要かということについても、お伝えさせてもらいました。

桜井:私たちはこの段階を「フェーズ0」と呼んでいたのですが、一斉に動きだす前に、社員みんなで2~3ヵ月間ディスカッションをしたことが、そのあとの動きに大きく影響を与えたと思っています。

桜井:社員それぞれが考えるベストな動き方について意見をもらえたのは良かったですし、上層部で決めた新しい体制を“決定事項”として指示するのとでは、社員たちの納得感も違うでしょう。

 また、コミュニケーションデザインチームとEC推進チームとで、業務の役割分担があいまいになっていた部分があったのですが、この問題に関しても、どうしたら業務効率化できるかを社員自らが話し合って、体制を刷新することができました。この時間があったからこそ、その後の展開を自分ごと化して、自分たちの業務・チームだからという形で動かしていくことができたのだと思います。

高瀬:回を重ねるごとに、みなさん自分の意見を出してくれるようになっていきましたよね。机上の空論にならず、再現性のあるプロジェクトとして進んでいるのは素晴らしいです。

デジタル活用の目的がより明確に

――実際にお取り組みを開始されて、成果が現れている点はありますか。

桜井:PDCAを検証していく仕組みが構築されつつあります。フィッツは売上の大部分を卸売が占めているため、広告運用がすぐに収益に結びつくわけではないのですが、引き続き、考え方の基盤を強固にしていくことが重要だと考えています。

 また、社内全体に起きた変化として「自分たちはどのような目的でデジタルを活用するのか」という根幹の考えが、より明確になってきています

――どのような方向性が見えてきたのでしょうか。

桜井:フィッツは「香りを通して、生活者にとってより豊かなライフスタイルを創造していく」ことを目指しているのですが、そのためには、自社ブランドのファンを増やしていくのはもちろん、極論、フィッツの製品ではなくとも、香りを楽しんでくださる生活者がもっと増えていくように、働きかけていく必要があると考えています。その点においてデジタルは強みをもっていて、直接お客様とコミュニケーションできる場として、もっと活用していくべきと考えがまとまったのです。

フィッツコーポレーションのスティック型練り香水「ヴァシリーサ パフュームスティック」
フィッツコーポレーションのスティック型練り香水
「ヴァシリーサ パフュームスティック」

高瀬:結果的に、トリプルメディアの見直しまで着手されていましたよね。ネット広告をやったからデジタルシフトということではなく、社内のオペレーションやルール、体制をデジタルシフトさせるために作り変えたことが一番の成果と言えると思います。

 私たちから見て、フィッツさんのインハウス支援がスムーズに進んでいる要因は、経営アジェンダにデジタルシフトが組み込まれていること、桜井さんを中心に、経営サイドへ状況が常にレポーティングされている点にあると思っています。社内の経営会議にもご一緒させてもらうこともありますし、まさに経営ごととしてデジタルシフトに取り組まれているのが伝わります。

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現場の危機感、学びたい気持ちに応えていく

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2020/10/30 17:17 https://markezine.jp/article/detail/33701

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