認知度が高いアプリでも指名キーワード強化が必要な理由
――指名キーワードでの広告出稿の提案には、どういった狙いがあったのでしょうか。
原田:ASAでは他社のアプリ名などのキーワードにも出稿することができるため、“ジャンプ”や“ジャンププラス”で検索したユーザーが、他のアプリへ流出してしまうのを防ぐ必要がありました。
木根渕さんのお話にあったように、2月末は漫画アプリのニーズが高まっており、他社が集英社のコミック雑誌名や、作品名などのキーワードに多く入稿していました。つまり、App Storeで、“ジャンプ”と検索すると、オーガニック検索枠のさらに上の広告枠に、少年ジャンプ+ではないアプリが表示されている状況になっていたんです。
――なるほど。認知が取れているアプリにおいても、指名キーワードの対策は重要なのですね。
原田:はい。ASAは2018年8月に日本でリリースされたばかりですが、漫画アプリに限らず、他社のアプリ名などのキーワード獲得に広告費用を活用している企業は増えています。
PDCAを回しやすい運用体制
――ASAのような検索連動型の広告は、一度設定したら終わりではなく、配信を最適化するために細かな調整が必要かと思います。日々の運用はどのように行っているのでしょうか。
安立:指名キーワードについては、今回はインプレッションシェア(以下、インプシェア)を重視して運用を行いました。先々の運用方針は、媒体社と連携し決定しており、たとえば、CPIを重視したインプシェア強化などの施策を実施しています。
また一般キーワードなどについては、各キーワード単位のCPIやCPD、継続単価を重視して運用を行っています。その調整のためには、ASAの管理画面やSDKのデータと紐づけてレポーティングする必要がありますが、時間や工数がかかるので、あまり現実的ではありません。そこで、セプテーニではTableauというツールを用いてキャンペーン、キーワード、獲得推移や配信進捗などを可視化し、レポーティングしています。これにより、LTVや継続率が高いキーワードの分析や、インプシェアなどを高頻度に確認できるため、タイミングを逃さずに最適なPDCAを回すことができる運用体制を整えています。