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Z世代にとってLINEは事務連絡ツール? 親密度によって異なる、コミュニケーションツールの使い分け

【まとめ】タイプで異なるコミュニケーション方法

 いかがでしたか? 今回の記事は、青山学院大学4年生、dotでインターン中の渋江みのりがお届けしました。仮説(1)の結果を、社会学の「弱い紐帯・強い紐帯」理論にあてはめて考えてみると、以下のようにまとめられるのではないでしょうか。

 まず、一人の人が構成している人間関係は大きく二種類に分けられます。強い絆で結ばれた人々と、弱い絆で結ばれた人々です。

・強い絆で結ばれた人々
5人〜15人程度。コミュニケーションの大半はこの人たちとしている。互いに大きな影響を受け合い、共通の好みを持ちやすい。情報交換が密で買い物に大きな影響を与える。
・弱い絆で結ばれた人々
50人〜150人程度。深くは理解していない友達や知り合いなど。好みが似かよった強い絆の人々に比べ、価値観や行動に多様性があり良い情報源となる。

※出展:ポール・アダムス著『ウェブはグループで進化する』(日経BP)

 このように、強い絆を持つ人々から信頼が必要な情報を、弱い絆を持つ人々から新しい情報や広く浅い情報を得ています。今回の仮説(1)では、Z世代が強い絆、弱い絆の人々とどのようにつながっているのかを明らかにしていきました。

●InstagramのDM:強い絆の人々はもちろん、弱い絆の人々ともつながっている。 DMは弱い絆の人と気軽に会話ができる場所
●LINE:強い絆で結ばれた人々と会話をする場所
●電話:強い絆の中でも最も親しい人たちと会話をする場所

 強い絆と弱い絆はさらに細かく分けることができます。

・強い絆で結ばれた人々
(1)最も親しい人たち(5人)→電話で会話する
(2)共感し合う人たち(15人)→LINEで会話する

・弱い絆で結ばれた人々
(3)定期的に会う人たち(50人)→InstagramのDMで会話する
(4)安定した知り合い(150人)→InstagramのDMで会話する
(5)交流のない顔見知り(500人)

(イラスト:森ケ崎未来)
(イラスト:森ケ崎未来)

 つまり、Z世代はInstagramから新しい情報を得て、LINEや電話で親しい人々に一押しの情報をシェアしていると考えられます。具体的に、私はこれに当てはまる行動をとっていました。弱い絆の人がInstagramで素敵なカフェに行っているのを目にし、DMでその場所を聞きました。そして、自分で調べて本当に良さそうだったので強い絆の人をLINEで誘って行ったのです。Z世代にとってはこのような行動が定番なのではないでしょうか。

 また、4タイプによってコミュニケーションの仕方が異なることもわかりました。積極的にコミュニケーションをとりにいくのが人生ガチ勢とソーシャル良い子。そして、それを受けて反応しているのが様子見フォロワーと省エネペシミスト。大きく2つに分けるとこのような形です。

 タイプ一つひとつを見ていくと、「完全受動態な様子見フォロワー」「無駄なつながりは作らない省エネペシミスト」「目的のある交流をする人生ガチ勢」「みんなにフランクなソーシャル良い子」とカテゴライズできる結果になったと思います。

 次回はそんな彼らの親、そして社会人との関係についてみていきます。親も社会人もZ世代からみると上の世代になりますが、一体どのようなコミュニケーションをとっているのでしょうか? お楽しみにお待ちください!

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この記事の著者

渋江 みのり(シブエ ミノリ)

1998年生まれ。青山学院大学心理学科4年。
2018年からdotで活動を始め、現在はdotのメディア部として活動中。大学卒業後、dotに入社予定。
 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/08/26 09:00 https://markezine.jp/article/detail/34103

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