月間視聴者数は700万人以上、国内でも有数のライブ配信媒体を運営
――はじめに、御社の事業領域と村田さんのご担当業務を教えてください。
村田:ウェザーニューズは、21ヵ国32ヵ所に拠点をもつ民間気象会社で、元々は創業者の「天気で人の役に立ちたい」という想いから始まりました。生活者向けの天気予報サービスはもちろん、企業向けの様々な市場における気象リスクへの対応策情報を提供しています。その中で私は「ウェザーニュースLiVE」のプロデューサーとして番組を統括しています。
村田:ウェザーニュースLiVEは、YouTubeやニコニコ生放送などにおいて、24時間365日、天気に関するライブ配信を行う自社制作番組です。ユーザーのコメントやSNSでの投稿を反映した、インタラクティブな番組作りが特徴で、たとえば「今日の空」「今日の犬・猫リポート」といったユーザーの写真を紹介するコーナーを設けるなど、双方向性のある発信を行ってきました。また、24時間365日のライブ配信の特性を活かし、台風や大雨、地震など災害発生時にはいち早く最新の情報をお伝えすることで、災害時に最も見られる番組となっています。
ライブ配信中にコメントやSNSでの投稿を活発に行ってくださるユーザーも多く、キャスターたちもSNSアカウントで頻繁に発信しています。現在、YouTubeの月間視聴者数は700万人規模に成長し、番組とユーザーとの距離感が近い、熱量の高いコミュニティができていると感じます。
天気や季節のデータを用いておすすめ商品を紹介
――番組内では天気や気温といった予報に加えて、より生活に密着した情報も展開されていますね。
村田:はい。当社の気象データと人々の行動データや商品の需要データをかけ合わせることで、データをより生活に役立つかたちに成型して届けています。人間の気分や行動に天気が及ぼす影響は意外と大きい一方で、予報データはそのままでは、生活に結びつきにくいものです。天気が日々の暮らしにどのように影響するのか、よりわかりやすく伝えたいと取り組みを始めました。
たとえば秋の終わりから冬の初めにかけては、鍋を食べたくなるような気象条件を示した「鍋物指数」を発表したり、夜の気温や湿度に基づいて、快適に睡眠をとることができるかを表現した「快眠指数」をお伝えしたりしています(参考媒体資料)。
――気象データを生活者によりなじみのある表現に置き換えて、発信しているのですね。
村田:はい。番組ではこうしたデータを用いて、番組のキャスターが企業様の商品を紹介する、タイアップコンテンツの制作も手掛けています。
たとえば、花王様の入浴剤「バブクール」「バブエクストラクール」とのコラボでは、夏バテのリスクに備える「夏バテ指数」を開発。夏にお風呂というと、意外性があるかもしれませんが、この入浴剤を使用することで、清涼感がありつつも、身体を温めることで、夏の疲れを癒す訴求をしました。
村田:こうしたコンテンツ制作が可能になった背景には、マーケティングに気象データを活用する、いわゆるウェザーテックの発達があります。人々の行動や嗜好と天気に関連があることは知られていましたが、そうしたデータを用いて様々なロジックを形成できるようになってきたのです。
加えて、最近は自社に溜まってきたデータを活用したいという企業様も増えています。そうしたデータと私たちが持っている情報と掛け合わせることで、より精緻な予測が行えるようになりました。