新型コロナ対策により、外出よりは巣ごもり、外食よりはテイクアウトと、人との接触や三密を避けた消費がすっかり定着した今日。人が集まるイベント系サービスや、対面での接客が必須のサービスは軒並み苦しい状況にある。今後、そうした事業者がビジネスを発展させるには、ニューノーマル時代に消費者が本当に望んでいることを見出し、その期待に応えていかなければならない。9月に開催された「MarkeZine Day 2020 Autumn」では、消費者インサイトの発掘支援を行うデコム・大松氏をモデレータに迎え、LIFULL・樋口氏とウエディングパーク・助川氏から共有された事例を基に、消費者インサイトに適応する糸口を探った。
消費者インサイトをどう読み解き、応えていくか
大松:今日は、「ニューノーマル時代の消費者インサイトに企業が適応する糸口を探る」というテーマのもと、LIFULLの樋口さん、ウエディングパークの助川さんに、実際の取り組みをお話いただきながら、当社で行ったリサーチ結果を踏まえてその実践を読み解いていきたいと思います。
樋口さん、助川さんだけでなく、多くの事業者の方が、コロナ禍でビジネス環境が大きく変化したことを実感していると思います。緊急事態宣言も出て、消費が一気に冷え込み、大打撃を受けた企業も多いでしょう。こうした状況が続き、ニューノーマル時代が本格到来する中、消費者インサイトをどう読み解き、それに応えていくかが、これからのビジネスに欠かせない要素となります。
では、そもそもインサイトとは何か。「様々な調査をしても、アンケートを取っても、表に出てこないけれど、確かに消費者欲求がある」という経験は、おそらく多くのマーケターが経験していることでしょう。私が所属するデコムでは、そういう「普通に聞いても出てこない、隠れた欲求」をインサイトとして捉えています。
大松:最初の問題定義が間違っていると、その後いくら検証しても、的外れな施策になってしまいます。当社では、緊急事態宣言下の4〜5月に消費者調査を行い、ウィズ・コロナ/アフターコロナ環境で注目すべき消費者の新欲求を抽出した「ニューノーマルプラネット」を発表しました。今回は、不動産サービスとブライダル事業の実践例を伺った後に、同調査からインサイトのエッセンスをご紹介したいと思います。まずは樋口さん、お願いします。
「コロナ=オンライン相談」というメッセージは顧客に刺さらない
樋口:LIFULLの樋口です。当社は不動産情報サイト「LIFULL HOME'S」のほか、不動産に関する様々なサービスを展開している企業で、私はLIFULL HOME'S事業本部で「住まいの窓口」というサービスを担当しています。
樋口:「住まいの窓口」は、お客様と不動産会社のマッチングビジネスです。不動産はほとんどの方が初めて購入するものなのですが、これまでは消費者と不動産業者の一対一での対話が常識でした。それに対し、「住まいの窓口」は、注文住宅から新築マンション、賃貸、リノベーションなどあらゆる住み替えについて、プロのアドバイザーに無料で何度も質問できるサービスです。対面店舗は全国に33店舗あり、これが主軸のチャネルとなります。
ところが、緊急事態宣言では主軸の店舗がすべて休業することになり、オンライン相談へのシフトが急務となりました。そこで様々な媒体で、オンラインを全面に打ち出した広告を展開することになったんです。ただ、「コロナだからオンライン相談へ」という訴求はお客様にまったく刺さらず、広告展開としてはかなり厳しい反応でした。
会員登録無料すると、続きをお読みいただけます
新規会員登録無料のご案内
- ・全ての過去記事が閲覧できます
※プレミアム記事(有料)は除く - ・会員限定メルマガを受信できます
- ・翔泳社の本が買える!500円分のポイントをプレゼント
この記事は参考になりましたか?
- MarkeZine Day 2020 Autumn連載記事一覧
- この記事の著者
-
岩崎 史絵(イワサキ シエ)
リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
この記事は参考になりましたか?
この記事をシェア
