SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

Disruptionとは何か 〜ニューノーマルをつくる破壊的思考法〜

「オフィスチェアレンタル」が捉えた、リモート時代の新たな価値観 “変化の兆し”を捉える視点とは

社会変化の兆しを「発見」し「活用」する

 今回は、TBWAが分析・導出した兆しを事例と合わせていくつかご紹介しましたが、本稿では最後にこうした兆しをどのようにして発見し、自社の課題に活用していくかをご紹介します。

 まず、兆しの発見は日々のニュースをはじめとした社会変化を象徴する「事象の収集」からはじまります。これを我々は「TRIGGER(トリガー)」と呼んでおり、本稿でご紹介してきたオフィスチェアレンタルなどの事例もそれぞれの兆しを象徴するトリガーであると言えます。これらの事象をいくつか集めたら、次はそれらの根底に共通する「人々が共感・共有する価値観を考察」していきます。これが価値観の変化を示すEdgeです。Edgeは共通項を簡潔に抽出するために、それぞれ今回ご紹介したような「ワーク・ライフ・バウンダリーズ」や「ヒューマンリー・オーセンティック」のようなひと言で表すことを意識してみてください(もちろん、英語である必要はありません)。

 こうして抽出した兆しが出てきたら、それを活用する方法のひとつとして「今の兆しに対応できているか」という現状達成度と「今後その兆しは重要になっていくか」という将来重要度でそれぞれ評価をし、特に重要な兆しを見定める方法をご紹介します。それぞれ5段階などで評価すると、現状達成度が低く将来重要度が高い兆しが「対応すべきもの」として明らかになります

 創造的破壊を生み出すDisruptionメソッドにおいては、こうした方法で企業のビジョンを策定する際に捉えるべき時代の価値観を明確にしていきます(ビジョン策定の方法については連載第3回をご覧ください)。

破壊的思考法「Disruption」とは?

TBWAが提唱する、創造的破壊を促す思考法のこと。「1、Convention(コンベンション)=既存の市場やプレーヤーを見渡し”破壊すべき既成概念”を発見する」「2、Vision(ビジョン)=既成概念を破壊した先の“あるべき理想の姿”を明確化する」「3、Disruption=既成概念を破壊し“ビジョンを実現するアイデア”を開発する」という大きく3つのステップから成り立つ。

▼創造的破壊を促す思考法「Disruption」の詳細については第1回をご覧ください。
競争戦略から“創造戦略”へ ニューノーマルをつくる破壊的思考法

 これからニュースやSNSで話題になっている施策を見るときは、その根底にある社会変化の兆しや、それに自社にとって重要か、そしていま対応できているかといった視点で考察してみてはいかがでしょうか。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
Disruptionとは何か 〜ニューノーマルをつくる破壊的思考法〜連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

田貝 雅和(タガイ マサカズ)

株式会社 TBWA HAKUHODO\Disruption®︎ Consulting\Disruption® Strategist

ITプラットフォーマー、デジタル・エージェンシーを経て現職。スタートアップからグローバル・ブランドまで、様々な規模・業界のクライアントにビジョン実現の支援を実施。「良い戦略は良い問...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2020/10/06 07:00 https://markezine.jp/article/detail/34476

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング