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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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定期誌『MarkeZine』特集

Cookieレス時代、3つの代替案と変えない戦略

「最適化」のお題を飛び越える勇気を

――今回の規制強化は、多くのマーケターが「広告とは何か」「アドテクをどのように活用すべきか」を再考するきっかけになっているのではないかと思います。

 誤解を恐れずに言えば、「広告がなくても成立する」状況がベストだと、私は考えています。広告を出すというのは、ブランドの存在を伝えるためにコストをかけている状況ですが、それ自体がお客様にとってのサービスにはあまりなっていない。事業会社が持つミッションを考えると、本質的にはお客様に還元できる仕組みに投資をすべきです。もちろん中期的には、まだまだ広告の力で新しいお客様とのタッチポイントが作られていくということは事実なのですが、たとえば口コミだけで今のビジネス規模が維持・拡大できるとすれば、まったく違う顧客サービスが展開できるだろうなと思います。

――日々現場で数字を追っている現場のマーケターにとっても、悩ましい状況だと思います。こうした問題をどのように乗り越えていくと良いでしょうか。

 ルールチェンジが起きているのに、これまでのやり方を続けながらどう最適化していくか、という議論自体に疑問を持つべきなのかなと思います。こういうときこそ、たとえば「切り分けが容易」というWebの特性を活かしていくと良いのではないでしょうか。このお客様には今までどおり広告を出すけれど、別の人たちには広告を止めて別の方法を試してみよう、という検証を、Webであれば比較的簡単にできると思うんです。それによる反応を見てみて、「やっぱり広告を出し続けたほうがビジネス的に効率が良いね」ということになれば、世の中の状況に合う形で改めてアドテクを活用し、広告を回していけば良い。もしそうでないのであれば、たとえ自分に課せられた業務が広告の最適化であったとしても、別のアプローチを自らの責任で検討しなくてはならない、ということだと思います。

 予算があって、獲得の目標値があって、その中で最適化してね、という与えられたお題を飛び越える勇気が必要です。そもそも、広告を運用するのがビジネスにおけるイシューではない。日々忙しくしている中で簡単なことではありませんが、目線を上げて、自分の仕事が顧客価値向上のためのどの部分を担っているのかを考えることができれば、他の方法も含めて、やりようはいくらでもあるのではないかと思います。

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/02/25 09:33 https://markezine.jp/article/detail/34603

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