気持ちの良い提案とチャネルの組み合わせで、豊かなEC体験の提供へ
――導入から3年、出店者や消費者からの反応はいかがですか? また、それを受けての抱負をお聞かせください。
山田 初年度から、昨年度対比で2倍、3倍と売上が伸びています。定期的にご利用いただいている出店者様が増えていますね。もっとも重要な数値のひとつであるROASについても、昨年度対比で倍近くに改善できています。当初の想定よりも、出店者様にとってはるかに良いサービスになっていると言えるでしょう。たとえば機能面では、ワンクリックで入札ができるうえ、一度入札するとその後は自動で入札が行えますし、商品別にレポートを閲覧できる仕組みも整っています。検索連動型だけでなくレコメンド広告も追加したことで、掲載できる面が広がりました。レコメンドについては、検索エンジンと同じエンジンを使っているため、効果も出やすくROASにも影響しているのでしょう。
消費者のお客様にとっては、求めていない広告が表示されるといったことが導入当初から少なく、検索に連動した情報を出すことができていました。消費者の行動データから見ても明らかです。
かなり良いプロダクトになっていますが、これからやっていきたいことはいくつかあります。たとえば、 ROASを設定してそれ以上の成果を出し続けられるようにしていくこと、現時点ではオウンドの媒体のみでの展開であるため、露出先をKDDIグループの媒体を中心に外部まで拡大していけないかといったことです。
佐野 ベースラインとして良いプロダクトができたと実感しています。昨今のマーケティングにおけるキーワードとして「パーソナライズ」がありますが、ユーザーにとって気持ちの良いレコメンドと広告をセットにした提案を行うべく、機械学習やディープラーニングなどの技術を用いてアルゴリズムの高度化を図っていきたいと考えています。一方で、あまりにきっちりとユーザーが求めるものに合わせすぎると、出店者様にとっては露出が減ってしまうことにもなりかねないため、そのバランスを取る必要があります。技術的な開発も必要になりますが、Supershipが今後、取り組んでいくべきテーマだと考えています。
また現時点では、広告主は出店者様に限られますが、たとえばメーカーなど商品提供企業様にも広告主として活用いただけるような仕組みを作っていく予定です。メーカーが広告主になることで、メーカーは自社商品が売れる、出店者様は取り扱う商品が売れる、Win-Winな機能になると考えています。広告主様やau PAY マーケットの流通額をアップし、ROASも上げていく。きちんとサポートさせていただくべく、コンサルティングやオペレーションの代行も含めた高度なサービスに仕上げていきたいですね。
――今後のEコマース業界を見据えたご展望をお聞かせください。
>山田 現状では物販が中心となっているところ、2018年に合併した「LUXA(ルクサ)」の体験型商品を、au PAY マーケットにさらに取り込んでいこうとしています。S4Adsを活用した新たな商品広告に関しても、体験型商品を含め、消費者の皆様にどのような体験を提供するべきか、そのうえでどの商品をご提供すれば良いかという視点から、出会っていただけるようなものを作っていきたいと考えています。
au PAY マーケットは、より多くのお客様に、お買い物を通じて出店者様と出会っていただく場です。そのためにも、S4Adsは重要な役割を担ってくれています。今後はより、購買データやユーザーデータを利活用した自動入札など、出店者様に負担のかからないサービスに進化させていく所存です。
佐野 今、広告を取り巻く環境は大きく変わろうとしています。CookieやユーザーIDの取り扱いが難しくなる中で、ますます多様化するチャネルを複合的に活用できなければ、ユーザーとの適切なコミュニケーションは難しくなっていくでしょう。さまざまなチャネルを活用するのに加え、実店舗との在庫とも連動し、適切なUXを提供できるよう、新しい、総合的なECサイト様向けのソリューションを企画し、開発していこうとトライしているところです。実店舗をお持ちの企業様にもお使いいただける、ECのトータルソリューションを目指していきます。
――本日はありがとうございました。
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