日本マーケティング学会は、マーケティング理論や実践の普及のため、日本マーケティング学会員が選ぶ「日本マーケティング本 大賞2020」の受賞書籍を発表した。
大賞には、近藤公彦氏、中見 真也氏の編著で、千倉書房が2019年10月刊行が刊行した『オムニチャネルと顧客戦略の現在』が選出。推薦理由として、「オムニチャネルについてバランス良く書かれた意義の大きい1冊」であることを挙げ、次のようにコメントしている。
「マーケティングにおいて関心の高いオムニチャネルについて、体系的かつバランス良くまとめた、理論的貢献と実践的示唆を両立した好著である。
オムニチャネルを顧客戦略として捉え、消費者行動、マーケティング、組織、サプライチェーンなど多面的な視点から検討がされている。丁寧な先行研究のレビューが、特徴の異なる多様な事例と結びつけられており、現場の実務家に有意義な視点が得られる。網羅性と具体性を満たす基本書であり、コロナ禍を経てこの先の顧客戦略はどうあるべきかについての示唆にも富んでいる。
日本マーケティング学会のリサーチプロジェクトの成果でもあり、研究と実務の融合を目指す学会の理念を体現したものとなっている」
また、準大賞の2冊には、入山章栄氏著でダイヤモンド社刊行の『世界標準の経営理論』、石井裕明氏著で千倉書房刊行の『消費者行動における感覚と評価メカニズム 購買意思決定を促す「何となく」の研究』が選ばれた。
【「日本マーケティング本 大賞2020」概要】
目的:マーケティング理論や実践の普及のため、日本で1年間に出版されたマーケティング書籍を対象に、日本マーケティング学会員が推奨する優れたマーケティング書籍として選出。
対象書籍:2019年4月~2020年3月に日本で出版されたマーケティング書籍(翻訳本を除く、および学会員著作に限らず対象とする)
選考方法:1次投票では、学会員1人につき1~3作品を投票(学会ウェブサイト上)1次投票の得票数上位10作品(本年は6作品)をノミネート本として発表。2次投票では、ノミネート作品から、学会員1人につき1~3作品を選び投票(学会ウェブサイト上)2次投票の得票数上位より、大賞作品を決定。
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