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編集長インタビュー

ユニ・チャーム「#がんばれシンクロフィット」が実践する、ファンの熱量をマーケティングに結びつける方法

ユーザーの声をそのまま活かし、開始1ヵ月弱でKPIを達成

――2020年10月からは「#がんばれシンクロフィット」というキャンペーンが始まりました。こちらはどのような思いで始まったプロジェクトですか。

ユニ・チャーム:2019年に公開したランドリーボックスさんの記事を読んだユーザーの方が「#がんばれシンクロフィット」のハッシュタグとともに感想を投稿してくださったのをきっかけに、同ハッシュタグでシンクロフィットへのコメントが寄せられるようになり、そのままキャンペーン名称に使わせていただきました。ありがたいことに、「シンクロフィットをなくさないでください」というお客様の声に支えられ、この商品はここまでくることができました。

 この商品の「知らない・わからない・売っていない」という課題を解消するため、「#がんばれシンクロフィット」というプロジェクトを始めました。

西本:そうですね。2019年12月に、開発の経緯やシンクロフィットにかける思いを記事にさせていただいたんですが、記事公開後に、シンクロフィットを愛用しているユーザーさんからの反響が大きく、同ハッシュタグをつけて、生理の悩みとともにシンクロフィットに助けられた体験談などをTwitterに投稿してくださいました。

 「取扱店舗増やして」というような要望を記載した投稿も多く、プラットフォームとして、読者だけでなく、メーカーであるユニ・チャームさんにもリアルな声を届けたいと思い動きはじめました。

 それに私自身、以前からシンクロフィットの愛用者でした。ところが大手企業の商品なのに、なかなかドラッグストアに売っていない(笑)。なので、ランドリーボックスにEC機能を実装したとき、「絶対にシンクロフィットを扱おう」と決めていました。

ユニ・チャーム:ランドリーボックスさんには「#がんばれシンクロフィット」の特設サイトを開設していただき、そこに使い方動画やコンテンツを掲載。ハッシュタグをつけて投稿されたユーザーの声を載せ、1,009人(Thank youの意)にシンクロフィットをプレゼントすることにしました。

 これまでの経験から、当社側からお勧めしすぎない形を取りたかったため、このようにランドリーボックスさんのサイト上で取り組みを行うことにしました。ユーザーのみなさんが自由にシンクロフィットを好きだと言える「場づくり」をしたいと考えたのです。

 当社とユーザーの間に、第三者としてランドリーボックスさんが入ってくださったことで、メーカーから押し付けずにユーザーの声を拾い上げることができます。ユーザーの声を真実ベースで伝えられると思いました。

――その結果、どのような結果が生まれていますか。

ユニ・チャームサイト開設1ヵ月弱で、目標とする4ヵ月でのUU数、口コミ数を達成する見込みです。おかげさまで多くの反響が寄せられています。

西本:今回のプロジェクトをきっかけに、全国チェーンのドラッグストアのバイヤーさんが共感してくださり、全店配荷されるようになったそうです。

ユニ・チャーム:ユーザーからも「お店の人にシンクロフィットを置いてください、とお願いしておきました」というツイートが寄せられることもあり、ありがたい気持ちでいっぱいです。

――改めて、こうしたセンシティブな内容を扱い、マーケティングに活用する上で何が重要だと考えていますか。

西本:生理は人それぞれ、症状もスタンスも異なるものです。不妊治療中の方や、婦人科系の病気を持つ方など、単純に「生理」と割り切れない複雑な想いをお持ちの方もいらっしゃいます。価値観も身体も多様ですので、こちらからこれが正解ですとは言い切れません。すべての方の感じ方を受け入れる姿勢を示したいですね。また、症状によっては病気の可能性もありますので、医学的なエビデンスに基づき、慎重に言葉を選んでいきたいと考えています。

ユニ・チャーム:西本さんがおっしゃる通り、生理の悩みは千差万別です。どのような感じ方をしても良いものですし、それを受け止めたい。生理に対するみなさんの思いを大切にしたいですね。

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この記事の著者

石川 香苗子(イシカワ カナコ)

ライター。リクルートHRマーケティングで営業を経験したのちライターへ。IT、マーケティング、テレビなどが得意領域。詳細はこちらから(これまでの仕事をまとめてあります)。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34822

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