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LGBTs、多様な性自認を尊重したマーケティング調査設計

 SDGsが目指す世界には、LGBTsと呼ばれる人たちが、自身の性自認や性的指向を尊重され、自分らしく生きられることも含まれる。ではマーケティング調査において性別や属性を聴取する際、LGBTsや多様なアイデンティティに配慮するため、どのように設問を設計するべきだろうか? 4種類の性別聴取の仕方について、比較・検討を行った。

※本記事は、2020年11月25日刊行の定期誌『MarkeZine』59号に掲載したものです。

性別や属性をどのように聴取する?

 SDGsが目指す「持続可能な世界」は、すべての人がいきいきと自分らしく生きられる世界でもある。LGBTsと呼ばれる人たちが、自身の性自認や性的指向を尊重され、自分らしく生きられることも、SDGsが目指す世界に含まれるであろう。では、マーケティング調査において性別や属性を聴取する際、LGBTsや多様なアイデンティティに配慮し、どのように設問を設計できるだろうか。今回は、4種類の性別聴取の仕方について、比較・検討を行った。

 調査結果を見ていく前に、理解しておきたい予備知識を解説したい。まず、LGBT(エル・ジー・ビー・ティー)とは、性的マイノリティの総称のひとつで、レズビアン(Lesbian:性自認と性的指向がいずれも女性)、ゲイ(Gay:性自認と性的指向がいずれも男性)、バイセクシュアル(Bisexual:性的指向が異性と同性の両方)、トランスジェンダー(Transgender:出生性や性自認を乗り越えて生きる人)の英単語の頭文字から構成されている言葉である。

図表1 性のグラデーション
図表1 性のグラデーション(タップで画像拡大)

 今回「LGBTs」という呼称を採用したのは、LGBT以外に該当する性的マイノリティも包括した用語にしたい、また、一般的に知られているLGBTという用語になるべく近い形にすることで、調査対象者との用語レベルでの認識の齟齬を生まれにくくしたいという意図がある。

 さて、性別については本来、「出生性(からだの性)」、「性自認(こころの性)」、「性的指向(好きになる性)」の要素は独立しており、多様なのが実態である。「出生性」は一般的に出生時の医師による指定で男・女に区分される自身の性であり、正確には男・女に限られないが、現在は出生時に区分される性別が、「性別」と認識されている。また、「性自認」は定義が難しいところはあるが、自身が一貫性をもって認識している自身の性であり、性自認と出生性が一致するかには個人差がある。「性的指向」は、性的な魅力を感じる相手の性であり、性行動の趣味や性癖とは異なる。どの要素もそれぞれ男女どちらかに分かれるものではなく、個人個人でグラデーションがあるといわれている。つまり性は本来、人の数だけ存在するといえるのだ。

 本調査では、普段の生活や業務ではあまり使用しない専門用語がいくつか使用されているが、今回は、LGBTやその他アセクシュアル(性的指向にいずれの性もない)、インターセックス(からだが男女に限らない)等を含む性的マイノリティ(LGBTs層)と、性的マジョリティ(シスジェンダーストレート層)との比較を通して、調査結果を確認していく。なお、シスジェンダーは出生性と性自認が一致する人、ストレート(ヘテロセクシュアル)は自身の性自認とは異なる性を好きになる人を指す用語である。

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この記事の著者

小林 薫(コバヤシ カオル)

外資系マーケティングリサーチ会社等を経て、2015年株式会社インテージに入社。
現在は表情解析を使ったテレビコマーシャルのクリエイティブ評価など各種アドホックリサーチソリューションの担当をしながら、新しいマーケティングリサーチソリューションの企画・開発に携わっている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/25 15:00 https://markezine.jp/article/detail/34870

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