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LGBTs、多様な性自認を尊重したマーケティング調査設計

配慮とわかりやすさの両立が必要

 個別評価、総合評価から、R案はLGBTs層への配慮という点も鑑みると今後改良の余地はあるものの、提示した4案の中ではベストであると考えられる。ただし、以下の3つの点についても理解しておく必要がある。

 まず、「性別聴取のわかりやすさ」という観点からすると、「そう思う」については、「P案」の評価が高い。これまでのアンケートにおける性別聴取は「P案」の方法が主流であり、聴取方法への慣れが大きく影響したと考えられる。

 次に、「自分の性別を的確に表せていると思う」という観点では、LGBTs層の中でも、シスジェンダー(レズビアン・ゲイ)においては「P案」の評価方法の「そう思う」が高い。セクシュアリティ(性的指向)やジェンダーアイデンティティによって評価は違うということに留意が必要である。

 そして「R案」についても、総合評価で「よくない」と回答した人が1割程度存在した。他の案よりは低いとはいえ、全員が評価しているわけではないということである。実際、今回の「R案」の選択肢においても、我々が使用した「違う」という表現が、「R案」に否定的な評価を与えている可能性があり、今後、再検討する必要がある。自由回答を見ても、選択肢の表現に対して「当事者にとっては判別されていると感じられる」という意見が見られた。その他、リテラシーレベルによる設問の理解度の違いなど、現状では様々な懸念点がある。

 引き続き、多様なアイデンティティへの配慮と同時に、アンケート回答者全体に対してのわかりやすさ、回答のしやすさも考慮しながら議論を深めていきたい。

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この記事の著者

小林 薫(コバヤシ カオル)

外資系マーケティングリサーチ会社等を経て、2015年株式会社インテージに入社。
現在は表情解析を使ったテレビコマーシャルのクリエイティブ評価など各種アドホックリサーチソリューションの担当をしながら、新しいマーケティングリサーチソリューションの企画・開発に携わっている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/11/25 15:00 https://markezine.jp/article/detail/34870

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