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顧客体験を革新するチャネルとなるか LINEに聞いた、ミニアプリの可能性


LINEミニアプリで煩雑な会員登録を省略

――一般的なミニプログラムではインストール不要などのメリットがありますが、御社のLINEミニアプリはどのようなものなのでしょうか?

武藤:LINEミニアプリは、LINE内で動作するウェブアプリケーションのプラットフォームです。従来、日本の多くの企業で顧客とのテックタッチを担っていたのはネイティブアプリでしたが、それよりもコンパクトな機能を「ミニアプリ」として構築し、ユーザーに提供できます。

 やはり大きな強みは、ユーザーが店舗に設置されたQRコードや、NFCタグを通じて、スマホから簡単にミニアプリを立ち上げられ、なおかつ従来のような会員登録やログインなしですぐに使えることです。

 ネイティブアプリでは、アプリのインストール、会員登録、場合によってはクレジットカードの登録も必要とし、ユーザーにとって煩雑な作業が発生していました。LINEミニアプリは、必要なサービスを必要なタイミングでさくっと使えて、テックタッチを簡単に作れることが評価されています。

行動データに基づき再来店・他サービスを訴求

――利用するまでのハードルが下がるのは、ユーザー目線で見ても好印象ですね。利用する店舗、企業側のメリットをさらに詳しく伺えますか?

武藤:企業側のメリットは、大きく分けて3つあります。1つ目は、サービスが利用しやすく、省人化にも役立つ点です。ダウンロード、会員登録要らずという使い勝手の良さは、ユーザーが利用しやすいだけでなく、店舗スタッフから見ても利用を案内しやすいため、非常に高く評価をいただいています。

 たとえばネイティブアプリの案内時に「アプリのパスワードを忘れてしまった」とか「どうやって操作するの?」というやり取りが発生してしまうと、本来の店舗オペレーションが回らず、行列ができてしまいます。そのため、これまでヒアリングしてきた企業の中には「お店が混んでいる間は店舗スタッフがアプリの案内をしたがらない」という声がありました。

 LINEミニアプリでは「LINEからすぐに利用できますよ」という案内をすることによって、店舗スタッフも案内しやすく、ユーザーも使い慣れているため、サービスの利用増につながります。これにより、リアルとデジタルの融合した顧客体験も可能になるほか、店舗運営の省人化にも貢献します。

武藤:2つ目のメリットは、LINE公式アカウントの友だちが増やせる点です。

 ミニアプリを立ち上げる際、途中で表示される認可画面で、LINE公式アカウントの友だち追加を促すことが可能になっています。多くの企業でお客様に伝えたい情報を発信したり、コミュニケーションしたりするためにLINE公式アカウントをご利用いただいているのですが、ミニアプリの起動時に友だち追加を促すことによって、実際にミニアプリを利用したユーザーの大半がLINE公式アカウントの友だちになっています。

 「友だち追加で◯◯ゲット」といったキャンペーンにおいて、ブランド認知がないままだと、インセンティブだけを目的にユーザーが友だち追加することがあります。一方、来店してミニアプリを使ったユーザーは、ブランドを認知し、商品・サービスを体験しているため、友だち追加後のブロック率が低いという結果が出ており、導入企業から評価をいただいています。

 3つ目は、LINEミニアプリで得られたデジタル接点を活かし、リテンション向上を狙える点です。LINEミニアプリでの行動データにより、オフラインでの情報をLINEのユーザーIDと紐付いて得られるため、それを基にした、より効果的なリテンション施策を実施できます。再来店だけでなく、飲食店ならデリバリー、テイクアウトのオンラインサービスも訴求していけます。

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谷口:従来のウェブアプリケーションやネイティブアプリでは、ユーザーに必要な情報を伝達するために、会員登録などの手段を通じてユーザーから電話番号やメールアドレスを取得する必要がありました。

 LINEミニアプリの特徴の1つに「予約情報、前日リマインド、呼出通知など、ユーザーにとって必要な情報を、LINEのプッシュ機能を通じて100%送れること」があります。

LINE マーケティングソリューションカンパニー B2B新規事業開発チーム マネージャー 谷口友彦氏
LINE マーケティングソリューションカンパニー B2B新規事業開発チーム マネージャー 谷口友彦氏

谷口:この通知機能により各企業は、ユーザーにとって煩雑な会員登録やログインなどのプロセスを省けるようになりました。LINEミニアプリ使用時に会員やログインのプロセスを設けるかどうかは各導入企業の自由とさせていただいていますが、実際にこれまでLINEミニアプリにご参画いただいた多くの企業はこれらのプロセスを省かれるケースが多く、その結果ユーザーにとって使い勝手の良いサービスが提供されています。

 店舗内のQRコードやNFCタグなどから簡単に会員証や順番待ち、テーブルオーダーなどのサービスを立ち上げ、ダウンロードや会員登録なしで簡単に使えるようになることで、従来のネイティブアプリやWebアプリケーションより多くのユーザーが積極的にLINEミニアプリをご利用いただいています。そしてそれによりLINE公式アカウントの友だち追加数のペースも増加し、オフラインの行動データも溜まることで導入企業にも価値を感じていただけています。

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【飲食店事例】スタッフの負担なく行列を緩和・3密を回避

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2020/12/21 10:44 https://markezine.jp/article/detail/34934

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