同じ“野球好き”でも東西の傾向がはっきり表れた!
次に、直近18ヵ月のデータを用いてファンたちの嗜好性を紐解いていきます。まずはグルメ傾向です。
グルメ:外食には強いこだわりが!?
関東球団の男性ファンは各国料理やバーを好み、女性はそれに加えてカフェに足を運ぶことが特徴的です。男女ともに外食にこだわりが強いグルメ派な一面がうかがえます。一方、関西球団のファンは粉もん文化発祥の地と言われるだけあってか、男女ともにお好み焼きが1位という結果となりました。また焼肉・鉄板焼き、中華チェーン、鍋・しゃぶしゃぶがランクインするなど、みんなでテーブルを囲みながらわいわい飲み食いする傾向が強いようです。

ショッピング:生活様式の変化が大きく影響か
続いて、ショッピングの傾向です。関東球団の男性ファンはミニスーパーの利用が1位となりました。コロナ禍の影響で在宅勤務が続くなど生活様式が変わる中、自炊や健康を意識しはじめているのかもしれません。女性はシューズストア、カバン・ハンドバックがランクインし、ファッションに興味が高いことが伺えました。
一方関西球団のファンは打って変わり、男性は酒販店やアウトドア用品店、カーディーラーがランクインしました。家でお酒を飲み、車やアウトドアが好きな豪快な男性像が想像できます。女性はベビー服・子供服が1位、スーパー、ドラッグ、アクセサリーと続きます。外食傾向も含めると、チャキチャキした大阪のママやアクティブシニア(予備軍)像が浮かんできますね。

レジャー・エンタメ:賑やか要素は欠かせない
最後にレジャー、エンタメ傾向です。野球ファンということで、賑やかに盛り上がることが好きな傾向となりました。関東球団の男性ファンがビジネスホテルやフィットネスジムによくいくということから、多忙で体型を気にしているアクティブなビジネスマンが想起されます。一方、関西球団のファンはパチンコ、ゲームセンターがランクイン。スリルや派手な演出が好きな傾向が見受けられます。

ここまで、野球ファンの行動傾向を見てきました。「ファンがなぜファンであるか」というシンプルながら深い問いに対しては、当該のエンターテイメントやコンテンツ、メディアに触れている一瞬だけでなく、その根底にある日常行動を正しく理解することが重要であると言えます。
試合を観戦した日にどこに立ち寄っている?同日行動分析
続いて、試合を観戦した日の立ち寄り傾向を、コロナ禍前後で比較してみましょう。コロナ禍前は関東・関西のファンともに居酒屋が堂々の第1位でした。試合の感想をつまみに、時に喜びを分かち合い、時に慰め合いながら1日を締め括っていたようですね。2~4位までの傾向は関東・関西同様でしたが、5位がイタリアン(関東)、お好み焼き(関西)と地域特性が出る結果となりました。
一方で新しい生活様式となったコロナ禍後は、サクッと食事をすます事のできるチェーン店が急上昇しました。関東球団のファンは観戦後はスーパーで食材を買ったり、ベーカリーショップでパンを購入する傾向がある一方、関西球団のファンはガッツリ系(丼もの、ラーメン)を食べてわいわいできない鬱憤を晴らしているのかもしれません。また、コロナ禍において関西球団のファンのお好み焼き好きな傾向はより加速しているようです。

