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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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イベントレポート

『オムニチャネルと顧客戦略の現在』が目指したのは、マーケティングの殻を破ること【受賞記念サロンレポ】

行きつく先はビジネスモデルのイノベーション

逸見:本書の続編として、これから「事例編」に着手していく予定になっていますが、皆さんはどのような点を掘り下げていこうとお考えですか。

近藤:まずはDXとオムニチャネルの掛け合わせです。DXが進まないとオムニチャネルを仕掛けることはできません。どちらか一方ではうまくいかないのです。

 もう一つのテーマは、ビジネスモデルのイノベーションについて。オムニチャネルを実現するには、組織やサプライチェーン、物流をどうするか考えなければなりません。行きつくところは、ビジネスモデルをいかに顧客起点で組み替えるか、ということになるでしょう。

金:DXへの関心が高まった背景には、既存のビジネスモデルでは価値や収益を出せなくなったという現状があります。イノベーションと顧客価値の視点でDXを捉えることは極めて重要です。

中見:私は価値の創造に一番関心を持っています。コモディティ化が進むと、価格などの機能的・便宜的な価値で差別化を図るようになっていきますが、価値次元を上げていくことも必要です。その一つとして「場」は可能性を持っていると思います。店舗、EC、それぞれのタッチポイントを統合的に見ることができている会社とはどういうところなのか、なぜそれができているのか解明していきたいですね。

太宰:今回はオウンドのオムニチャネルへの言及で手いっぱいだったので、次はオウンドの外に出ていきたいですね。

 また、顧客の行動について、購入以外の接点、より長期の視点での価値提供について追っていくことも目標です。「販売促進」「セールスプロモーション」という視点では短期的すぎるのではないかと考えていて、「価値促進」「バリュープロモーション」という言葉に変えても良いのではないか、ということを提言できれば良いですね。

逸見:すると「売り場」という言葉も変わっていくかもしれませんね。決済の場、と限定するべきではないかもしれない。

近藤:最後に、afterコロナ、withコロナは避けて通れない観点でしょう。ニューノーマルの世界でオムニチャネルがどうなるか。購入に関してはECで事足りる中で、なぜ人はリアル店舗に集まるのか。考えなければいけないことがまだまだあります。

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「オムニチャネルはバズワード」で終わらせてはいけない理由

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この記事の著者

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/01/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/35152

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