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思い出を通じて、温かみのあるブランドに。ミスタードーナツ、周年キャンペーンでTwitterを活用

 2020年1月27日に50周年を迎えたミスタードーナツは、それを記念してTwitterキャンペーン「ミスドの思いド」を実施し、多くのTwitter利用者の会話を生み出した。本記事では、同キャンペーンの詳細と結果についてダスキンのミスタードーナツ事業部の巖(いわお)美里氏に話を聞いた。

感謝とさらなる進化を伝える周年キャンペーンを展開

MZ:今回はミスタードーナツが50周年を機に行ったキャンペーンについてお伺いします。50周年となると非常に大きな節目になるかと思いますが、どのような施策を展開されていたのでしょうか。

株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業部 販売企画部 広告宣伝室 主任 巖 美里氏
株式会社ダスキン ミスタードーナツ事業部 販売企画部 広告宣伝室 主任 巖 美里氏

巖:ミスタードーナツは2020年1月27日で50周年を迎えたのですが、お客様にこれまでの感謝と50周年を機にさらなる進化を遂げることを伝えるべく、様々な媒体で広告宣伝を行ってきました。

 具体的には「開けた瞬間、いいことあるぞ」というコピーで、菅田将暉さんを起用したクリエイティブをテレビCM、LINE、そしてTwitterのファーストビューオンリー(各ユーザーのその日最初のタイムラインに広告出稿できるメニュー)など各種媒体で届けました。

 また、感謝の気持ちを伝えつつ、この状況下でもお客様に元気を与えられる存在になりたいという思いもあり、Web動画も別途制作して公式Webサイト上で発信していました。店頭に関しても、ポスターだけでなく50周年専用の横断幕を制作するなど、お客様にミスタードーナツが50周年であることをありとあらゆる場所でお伝えしていました。

MZ:コミュニケーション以外でも、50周年ならではの取り組みは行っていたのでしょうか。

巖:ミスタードーナツとして特に力を入れていたのは、商品開発です。近年は様々なブランドとの共同開発を展開しておりますが、50周年を迎える2020年は例年の商品を上回る商品開発を目指して、これまでのミスタードーナツを超える商品作りを行い、販売してきました。

思い出が広がることでブランドに温かみを感じてもらう

MZ:今回Twitterを中心に「ミスドの思いド」キャンペーンを実施されていますね。

巖:「ミスドの思いド」は、Twitterを利用されている皆様にミスタードーナツとの思い出を投稿してもらうキャンペーンだったのですが、そのキャンペーンを通じてミスタードーナツというブランドに温かみを感じてもらいたいと考えていました。Twitterを選んだのは、会話が広がりやすいプラットフォームだと考えたためです。

MZ:ミスタードーナツのTwitterアカウントは長年運営されていると思いますが、こういったキャンペーンは行ったことはありますか。

巖:こういったキャンペーンはあまりできていませんでしたね。Twitterアカウントの立ち上げ当初は、フォローしてくれた方を全員リフォローしたり、リプライも返していたりしました。しかし、近年はTwitterアカウントの役割が商品告知に変化したため、お客様との接点が商品軸になることが多くなっていました。しかし、50周年を機にミスタードーナツというブランド自体に対する声を集めたいと思い、今回のようなキャンペーンを企画しました。

投稿数をKPIに様々な施策を展開

MZ:では、実際にどういったキャンペーンを展開したのか教えてください。

巖:2020年9月4日から10月31日の間、Twitterとnote、郵送で「ミスドの思いド」エピソードを募集しました。また、応募した方の中で特賞に選ばれた方には、5,000円分のミスタードーナツカードと菅田将暉さんに投稿を読んでもらえて店内BGMでオンエアできる権利を、また500名の方には原田治さんが50周年記念にデザインしたミスタードーナツカードをプレゼントすることにしました。

MZ:50周年キャンペーンならではかつ、ミスタードーナツファンにとっても嬉しいプレゼントですね。キャンペーンにおけるKPIはありましたか。

巖:投稿数ですね。今回は商品告知ではないので、来店や直接的な売り上げよりも多くの方に思い出を語っていただきたいと考えていました。具体的には1万件の投稿を目標にしていました。

MZ:「ミスドの思いド」キャンペーンは、Twitterを中心に告知したのでしょうか。

巖:Twitterが中心ですね。Twitterではカンバセーショナルカードによる広告配信とオーガニック投稿を行いつつ、店内POPや折り込みチラシ、検索連動型広告やディスプレイ広告でもお知らせしていました。

ハードルを下げて投稿数を増加

MZ:カンバセーショナルカードを活用したとのことですが、活用時に気を付けたことはありますか。

巖:投稿のハードルをいかに下げられるかは意識していました。普段から商品告知の際にカンバセーショナルカードは活用しているのですが、その際は複数の選択肢を用意して新しい商品がどんなものかを想像してもらうようにしています。

 しかし、「ミスドの思いド」に関しては#ミスドの思いドのボタンと募集ツイートだけにして、ボタンを押せばすぐ思い出が書き込めて応募できる状態にしました。

MZ:1ヵ月近く募集していたと思いますが、基本的にずっと広告を配信していたのでしょうか。

巖:募集期間中は基本的にカンバセーショナルカードを配信していました。また、ミスタードーナツのTwitter公式アカウントでのオーガニック投稿は、募集期間の中盤に行い中押しとして活用していました。

目標の約1.5倍の投稿数が集まる結果に

MZ:キャンペーンによる成果はいかがでしたか。

巖:最終の応募総数が1万4,367件と、目標よりも高い数字となりました。また、Twitterでは1万3,000件近くのツイートがあったため、一番思い出を集めるのに貢献しました。

 男女問わず様々な方がツイートをしており、家族との思い出やミスタードーナツでアルバイトをしていた際の思い出などシーンも様々でした。内容も食べ方の提案やほっこりするエピソードなど、ミスタードーナツの思い出を起点に様々な会話が生まれたと考えています。

MZ:もし、投稿数以外にも何か良い成果が得られていれば教えてください。

巖:同時期に販売していた新作「さつまいもド」の売り上げは非常に好調でした。実際に#ミスドの思いドで「さつまいもド」のことやお店に行ったことをツイートしていた方もいたので、多少店舗来店や購買のきっかけにはなっていたのかもしれません。

MZ:今回のキャンペーンでの気づきはありますか。

巖:商品告知以外でも活用の可能性があることですね。近年Twitterは商品告知をメインに活用していました。具体的には新商品の発売前に全貌は明かさずカンバセーショナルカードを使ってどんな商品が出るか予想してもらって盛り上げます。その後、発売から1ヵ月かけてその話題を維持しながら商品告知を行ってきました。

 元々カンバセーショナルカードに慣れているお客様が多かったのもあるとは思いますが、投稿数が多かったのを見るとブランドに対する思いを語ってもらう場としてもTwitterが機能するんだと感じましたね。

 その他にも、自社の持つ資産を活かすことが、会話を生むためには重要だということにも気づけました。今回はTwitter利用者の方が持つ「ミスタードーナツとの思い出」をフックにキャンペーンを実施したことで、多くの会話が生まれました。今後も長年ミスタードーナツが培ってきた資産を活かしたいです。

広告では伝えられない部分も伝えていきたい

MZ:最後に今後どのようにTwitterを活用していきたいか教えてください。

巖:今後もキャンペーンや商品告知に関しては、広告配信を中心に多くの方に届けていきたいです。また、Twitter公式アカウントフォロワー数も増加させていきたいです。

 また、ミスタードーナツならではのツイートを通じて親しんでもらえるブランドとして成長させていきたいと考えています。どうしても広告ツイートでは商品の特徴も一部しか伝えられませんが、その伝えられなかった部分をオーガニックツイートで深堀して届けたいです。その他にも、ミスタードーナツの利用シーンを提案するツイートなども行い、想起していただくきっかけを増やしたいと思います。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/03/05 10:00 https://markezine.jp/article/detail/35173