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「withファン」レポート

フォロワー数に惑わされない!リーチ数2倍を実現した阪神百貨店に学ぶ、スカウト式アンバサダープログラム

 アジャイルメディア・ネットワークは、同社が提唱するアンバサダープログラムの一貫として、ファンと企業の関係に主軸を置いたオンラインセミナー「withファン」を主催している。10月28日に行われた回では、阪神百貨店がバレンタイン商戦に実施したアンバサダー施策の取り組みと成果が語られた。本稿では、その様子をお届けする。

どこよりも特色のあるイベントにするための「いちご」アンバサダー

徳力:本日は、阪神百貨店が「いちごとチョコフェス」において実施したアンバサダー施策について聞いていきたいと思います。まずみなさんの自己紹介をお願いします。

溝口:阪神百貨店のプロモーション計画部に所属しています。入社後、数年間の売り場経験を経て、広報やプロモーションなど、販売促進に関わるエリアに十年以上携わっています。

安田:私は阪急百貨店と阪神百貨店が合併したあとに入社しました。売り場を経験したのち、デジタルコミュニケーション推進室を経て、阪神梅田本店のプロモーション企画・宣伝部へ異動しました。昨年度のバレンタイン企画では、SNSを担当していました。

(写真左から)阪神梅田本店 プロモーション企画・宣伝部 溝口佳代子氏、安田みなみ氏
(写真左から)阪神梅田本店 プロモーション企画・宣伝部 溝口佳代子氏、安田みなみ氏

徳力:では早速、阪神百貨店がバレンタインの時期にあわせて実施された「いちごとチョコフェス」についてお伺いしていきます。2020年は2回目の開催だったそうですね。バレンタインといえばチョコレート販売の催し物は多々ありますが、そもそもなぜ、阪神百貨店さんは「いちごとチョコレート」なのですか?

溝口:バレンタインシーズンのチョコレート売上は非常に大きく、阪神百貨店としても注力している商戦です。しかし、他店も力を入れている時期ですので、ただのチョコレートイベントではなかなか目立つことはできません。そのため、阪神百貨店のバレンタイン催事に通ってもらうには、別の切り口が必要だと考えました。この時期、ホテルなどではいつも「いちごフェア」が大人気といったことをヒントに、「いちご」によって特色あるチョコレートフェアを作ろうと企画しました。

徳力:そこに、今回のアンバサダー施策が組み合わさったと。ソーシャルを重視しようと考えられた理由はなんですか。

溝口:バレンタインデー企画を行うなかで、ここ数年SNSでの口コミ力は感じていました。特にいちご写真はとにかく「映え」るため、SNSでの口コミが来店につながっていると感じていました。ただ、オーガニックの盛り上がりは、頂点がイベント会期の最後のほうになってしまっていました。これを、もうちょっと前から盛り上げるにはどうすればいいのかと考え、アンバサダー施策を行うことにしたのです。

安田:当初は実際の商品を試食できる前夜祭イベントを行い、アンバサダーの方々に来店促進のための口コミをお願いしようという計画でした。ところが、キックオフで初回に集まっていただいたら、想定以上に盛り上がりまして(笑)。そこから、口コミだけでなく、色々な取り組みをご一緒させていただくことになりました。

SNS上でアンバサダー適任者を探しスカウト

徳力:アンバサダーは、阪神百貨店のお客さんから選んだのですか?

溝口:いいえ、お客様に限らず「関西方面に住んでいる、スイーツやいちご好きの方」をSNSで探し、「アンバサダーになっていただけませんか?」とスカウトしていきました。約100名にお声がけして、登録いただいたのは37名でした。

 キックオフは15名ほどにお越しいただいたのですが、初対面なのにすごく盛り上がって、とても驚きましたね。中には一眼レフカメラを持っていらっしゃって、会場に入った途端に「バシバシッ」「バシッ」とスイーツの写真を撮り始める方もいたのですが、そこで「あ、みんな同類やった」と思われたのかもしれませんね(笑)。

安田:我々も事前に参加メンバーをしっかり把握し、「この人とこの人が相性良さそうだな」とアンバサダーさんの間を取り持ったり、「○○さんですよね。昨日の投稿見ました」などお声がけしたりしていました。

徳力:リアルで「ネットでこれ書かれてましたよね」とか言われるのはすごくうれしいですよね。相手の方をよく見てくれている感じといい、先日のワークマンのアンバサダープログラムに通じるものを感じます。

 実際のイベントの口コミ投稿ですが、すごく「いいね」が多いですよね。やはり人選がドンピシャだったことが起因しているのでしょうか。

Instagram投稿抜粋
Instagram投稿抜粋

溝口:人選は、厳しく、そして大切にみています。アンバサダーになってくださる方には、イベントの内容をこまめに発信していただきたいので、細かくコメントに返信をするなど丁寧なケアをされている方、食べたものの感想も、きちんとわかりやすく書かれている方に注目していきました。フォロワー数で判断するのではなく、投稿内容をしっかり読み「こういう方にやっていただきたい」と思った方に絞っていきました。

安田:何万フォロワーの方もいらっしゃいましたが、ごく一部でした。ですが、結果的にフォロワー数と関係なく「いいね」が多く集まりました。これは、アンバサダーの方々の「いちご愛」ゆえなのだと思います。

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この記事の著者

吉田 朗子(ヨシダ サエコ)

アジャイルメディア・ネットワーク株式会社 マーケティング部広告代理店とカナダでのワーキングホリデーを経て、2018年アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)入社。AMNでは、マーケティング部に所属しながら”寄り添う企業として”をスローガンにしウェビナー、イベントなどを開催中。個人では保護犬のボランティアなどを行いながらより良い未来を模索している。アンバサダープログラム事業部:https://agilemedia.jp/ambassador-program

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田口 和裕(タグチ カズヒロ)

タイ在住のフリーライター。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイトなどを中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。著書に『できるfit メルカリ&LINE&Instagram&Facebook&Twitter 基本+活用ワザ』(インプレス・共著)、『ゼロからはじめるテレワーク実践ガイド ツールとア...

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宮崎 綾子(ミヤザキ アヤコ)

編集者。編集プロダクション勤務を経て2009年に独立、“ひとり編プロ”アマルゴンを運営。PC・スマホ・ウェブ関連の技術&カルチャー書籍編集制作を中心に、PRコンテンツ企画など幅広く関わる。電子書籍の導入期にはImpress QuickBooksシリーズに参画。実績は https://amargon.net

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MarkeZine(マーケジン)
2021/01/26 07:00 https://markezine.jp/article/detail/35226

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