SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

dotグラフィで探る、Z世代のホンネ

インスタ投稿は激減、コト・モノ消費ともに「量」から「質」へ コロナ禍で変化したZ世代の価値観

Z世代の多くが自然を求めるように

 dotメンバーへのエスノグラフィでは「自然の中で遊ぼう」という提案が多くでてきました。もちろん、その一番の理由は都心に出ることによる感染拡大防止と思われます。

 一方で、Z世代が自然を求める他の理由としては「コロナ禍における自然への心理的ハードルの低くさ」「デジタル疲れ」の2つがあるようにも感じます。実際、dotメンバー24名へのアンケートでは半数以上が「コロナ前よりも自然を求めるようになった」と回答しています。その理由についてZ世代会議で聞いてみました。

コロナ禍における自然への心理的ハードルの低くさ

 コロナに対する考え方は、Z世代の中でも大きな差があります。都会に住んでいたり、都会の学校に毎日通っていたりする人と、田舎に住んでいて滅多に外に出ない人とでは外出へのハードルがまったく異なります。また、一人暮らしの人と祖父母と暮らしている人とでも、コロナに抱く考えや感情には大きな差があります。

 Z世代は子どもの頃からSNSに触れていたこともあり、多様な価値観を受け入れるリベラルな世代と言われてきました。そんな彼らにとって、自然の中に行くことは対立を生みにくく安心して提案できSNSでもシェアできる場所として認知されているようです。

大学2年生・Mちゃん
「人の目を気にせずに日光を浴びたくて自然を求めています。こんなに広いからいいよねって。大自然の中ならインスタにもあげやすいな」

大学4年生・Mちゃん
「家が都会にあるし、毎週渋谷に通わないといけない用事もあります。だから、実際は都会に頻繁にいるんだけど、その様子をSNSにあげることはないです。たまに自然に出かけたときに思いっきり写真を撮ってインスタにあげます」

デジタル疲れ

 都内の大学では、まだリモート授業中心で行われているところも多くあります。また、授業に限らずサークルなどもオンラインで行われているところが多いです。そんなオンライン漬けの毎日で自然を求めるようになったという声もありました。

大学4年生・Nちゃん
「オンラインをはしごする毎日で、画面を見ることに疲れています。癒やされたくて、自然を求めていますね」

大学4年生・Mちゃん
「ずっと家にいて、ずっとスマホかパソコンを見る日々です。開放的なところに行きたいし、人工物以外のものに触れたい」

人によって誘い方を変える

 様々な理由からZ世代が自然を求めていることがわかりましたが、出かける場所が毎回自然の中というわけではないようです。dotメンバー24名へのアンケートでは7割以上の人が「相手によって誘い方を変えている」と回答してくれました。

高校2年生・Oくん
「僕自身は学校が新宿にあってそこに毎日通っているので、都会がNGという感覚は麻痺していると思います。でも、普段外出しない人や家庭的に厳しい人を自分から誘うのは気を使うし、大丈夫と言っていても忖度されているのではと気にしちゃいます」

大学2年生・Mちゃん
「相手のコロナに対する価値観がどうなのかを気にしながら生活しています。ここに行こう! と場所を指定して人に呼びかけることはせず、普段どこで遊んでる? というのを聞いて相手の行動範囲を探ってから場所を決めます。また、自分からは人を都会に誘わないようにしています」

大学3年生・Mくん
「都会に住んでいる人は都会に誘いやすいですね。でも、少し離れたところに住んでいて普段都会に行かないという人には気を使っています」

大学2年生・Mちゃん
「何事も、行きたくなかったら行きたくないって言ってね! という前置きをしてから誘っていました。でも、それがめんどくさくなって本当に仲のいい人だけに友達の輪を狭めたかな」

 人と会うとき、あえて自分からはリードせず相手の考えを探りながら決めるという意見が多い印象でした。個人的にNGだと思う場所については、カラオケ、居酒屋、夜の街など一般的にニュースで言われている場所に引っ張られているという人が多数。しかし、色々と配慮することに疲れ、そもそもの友人関係を狭めたり、OKな印象の強い自然を提案したり気を使わずに済む工夫をしているようです。

【発見3】

相手の家庭環境や住んでいる地域に配慮しながら、コロナに対する相手の考え方を探り合っている。しかし、その配慮疲れから友達の輪を狭めたり自然を求めたりなど、気を使わなくて済む工夫をしている。

次のページ
まとめ:コロナ禍で変化したZ世代の価値観

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
dotグラフィで探る、Z世代のホンネ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

渋江 みのり(シブエ ミノリ)

1998年生まれ。青山学院大学心理学科4年。
2018年からdotで活動を始め、現在はdotのメディア部として活動中。大学卒業後、dotに入社予定。
 

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/02/10 08:00 https://markezine.jp/article/detail/35234

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング