認知からアクションを首尾一貫
しかし、クロスメディアの発想の難しい点は、この認知→アクションへの一貫性というところにあります。
従来の方法論では、告知あるいは認知を取るという面では「広告表現」がとても大事でした。そのために、「広告表現を考える人」と「プロモーションを考える人」は、それぞれの分野に分かれていたのです。
「どんな風に訴えかけたらお客様に振り向いてもらえるだろう」
「今、買う気にさせるには、こんなアプローチがいいに違いない」
という戦略を立てる「ATLの担当者」=「マス広告の表現を考える人」
「こんなおまけやプレゼントが効くかもしれない」
「今ならこんなプレゼントを実施してみよう」
という戦略を立てる「BTLの担当者」=「プロモーションを考える人」
この図式がこれまでの常識でした。つまり、広告表現と販促活動は別々に作られるのが当たり前だったのです。それを融合させるという発想、すなわち「戦略的に一貫したストーリーが必要」ということは、あまり考えられていなかったといえると思います。

しかし、今回お話してきたインターネット広告の活動が普及するにつれて、状況が変わってきました。さまざまな広告手段を一貫した一連の活動として(ストーリーとして)展開すると、お客様は楽しく、あるいは何も気づかずに、あるアクションにまで誘導されるということがわかってきたのです。
商品やサービスのよさを伝えるのに、画像や映像やコピー(言葉)、音楽だけでなく、行動(体験)が伴うと、そのよさが伝わりますよね。これもクロスメディア発想の大きな基点になっていると思います。
