※本記事は、2021年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』61号に掲載したものです。
商品の「買い方」「使い方」に現れた変化
アスクル LOHACO 事業本部 副本部長 兼 ECマーケティングディレクター
成松岳志(なりまつ・たけし)氏
2007年入社。事業所向け通販サイト「ASKUL」のCRM、新規サービス企画等を経て、「LOHACO」立ち上げに参画。現在はLOHACOの事業企画・データ解析・プロモーションを統括するとともに企業間のデータ利活用を推進中。
新型コロナウイルスの流行にともなう外出自粛を経て、「オンラインで済ませられることはオンラインで行う」という生活スタイルが浸透しました。アスクルのBtoC向け日用品ショッピングサイト「LOHACO」でも、需要急増への対応を行いました。特に注力したのは配送の遅延を防ぐことで、需要予測の精度を上げる、LOHACO本店だけでなくPayPayモール店にも最新の在庫状況を反映できるようにする、といった体制整備を急ぎました。
お客様の消費動向については商品の「買い方」「使い方」に変化が見られます。まず「買い方」について、お一人あたりが購入する品目数が減少し、同一商品を一度に購入する量が増えました。こうしたニーズに合わせて、従来少量で販売していた商品についてもケース売りでお得な価格設定にするなど、チューニングしています。
もう一つ、新しい生活習慣が生まれたことで商品の「使い方」に変化が生じています。一つの例がティッシュペーパーです。おうち需要で売上が増えると予想していたのですが、業界全体で売上の減少が見られます。メーカーとLOHACOのデータで分析を進めたところ、購入人数が減っているわけではなく、お一人あたりの購入量が減っており、代わりにキッチンペーパーやカウンタークロスの需要が増加していることがわかりました。「除菌」の習慣が家庭内で新しくできたことで、除菌液をスプレーするときに使い勝手が良い厚手の素材が好まれているものと考えられます。こうしたニーズの変化を受けて2020年に開催したオンラインイベント「暮らしになじむLOHACO展.com」では日本製紙クレシアが洗って使える厚手のペーパータオルを発売したところ、高い評価を得ました。