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マーケティングの本質を探る

消費者の無意識に残り続け、第一想起をとれるブランドが大切にしている「カテゴリー理解」とは

 P&G、Googleを経てアドビに勤務する里村氏が、実践に基づきマーケティングを語る本連載。第2回では、消費者の無意識に残り続け、第一想起をとれるブランドになるために必要な「カテゴリー」の理解を取り上げる。里村氏は(1)購買サイクルによる違い(2)消費者にとってのカテゴリー定義を踏まえることが大切であると述べ、アドビでの実践を交えながら解説している。

自社ブランドの購買サイクルを十分理解しているか

 前回の記事では、消費者の無意識に入り込み行動を促すことがマーケティングの本質であると述べ、その理由を説明した。この考え方に基づき施策を実行するには、自社ブランドが属する「カテゴリー」をよく理解することが必要だ。今回はカテゴリー理解に不可欠な2種類の要素について取り上げたい。

カテゴリーを理解する2種類の手がかり

(1)購買サイクルによる違い
(2)消費者にとってのカテゴリーの理解(=消費者理解)

 一つ目の手がかりは、購買サイクルによる違いである。つまり、1~3ヵ月に1回以上買われるカテゴリーなのか、6~7ヵ月に1回程度なのか、1年に1回程度なのか、もっと複数年に及ぶのか、などである。

 基本的に購買サイクルが長くなると(ファイナンシャル上の理由からも)単価が高くなり、短くなると単価は低くなる。また、購買サイクルが長くなるほど、必需品ではなく嗜好品になる傾向がある(もちろん短いものでも嗜好品カテゴリーは存在する。またこれらはニーズかウォンツかというカテゴリーの種類で説明されることもある)。

 そして購買サイクルが長くなるほど、検討期間や購買期間は長くなるが、それより前の段階である“検討すらしていない期間”も長くなる。マーケターにとっては、この“検討すらしていない期間”にいかに無意識に入り込み、検討期間、購買期間へとつなげられるかが勝負となる。この期間にいる消費者は自分でそのカテゴリーやブランドについて調べるといった行動をとるが、ここに検討そして購買へとつなげる鍵が隠されている。

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 自社ブランドの購買サイクルを把握した上で、購買サイクルが短い(3ヵ月に1回以上など)カテゴリーと購買サイクルが長い(1年で1回未満など)カテゴリーで、マーケティング施策において何が共通して、何が共通していないのかを考えることが必要だ。最近のマーケティング業界では、購買サイクルの違いを考慮しないまま、議論が進められているように思える

心理指標で効果を測る落とし穴

 購買サイクルに応じたマーケティング施策の話に入る前に、マーケティング施策をどのように評価すべきかについて触れたい。認知やブランド指標と呼ばれる「心理指標」で測ろうとする人もいるが、購買サイクルの長短に関わらず、すべての施策は人を能動的に行動させているか、もしくはファイナンシャルリターンが得られているかで評価されるべきである、というのが筆者の立場である。

 そもそも人は嘘をつく生き物であり、心理指標が本当に行動に結びついているかどうかは、カテゴリーやユーザー、またブランドによっても違うため、慎重にならなくてはいけない。ビジネス上の成果がよくわからないものに投資し続けることにならないために、本来はあくまでも行動指標(実際に動いたか)で評価すべきである。あくまでもこれは結果の評価の話で、プランニングの段階では心理指標を使う場合もあるが、基本的には「使いたいか買いたいか」などといった、最終的にユーザーに期待する能動的な行動を指標にする以外、あまり当てにならないことが多い。

 また、心理指標が本当に行動に結びついているかを知るために、コストをかけてリサーチするのは本末転倒であるし、AIDMAやAISASなどといったフレームワークを盲信し、心理指標のみを追いかけていては、マーケティングの本質である「無意識に入り込み行動を促す」ことはできない。どうすれば行動をうながすことができるのか、どんなバリアが存在しているのかに向き合い、その効果は実際に行動したかどうかで測られるべきである。

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この記事の著者

里村 明洋(サトムラ アキヒロ)

アドビ株式会社 マーケティング本部 常務執行役員/シニアディレクター。兵庫県尼崎市出身。慶應義塾大学総合政策学部卒業。新卒でP&Gへ入社し、日本そしてシンガポールにて営業からマーケティングまで幅広い業務に従事する。転職したGoogle Japanでも、同社のコアビジネスから新規事業まで、幅広...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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