CDPの代表的な4つの機能
伊藤氏は次にCDPの構成と機能について説明した。機能はたくさんあるが、代表的な機能として、大きく4つあるという。
ファイルやデータを貯める「Data Lake」、サイト内の行動やアプリ行動、IoT機器のビーコンデータなど「行動ログの計測」、Data Lakeや行動ログの分析と活用のための「DWH」または「DataMart」、欠損したり暗号化されているような場合でも活用できるようデータの加工や入出力のための「ETL」だ。
実は、これらの機能は「Google BigQuery」「Google Analytics」など、Google Cloud Platform(GCP)やAmazon Web Services(AWS)などのクラウドサービスでも、単品で揃えることができる。では、あえてCDP製品を導入するメリットは何か?
CDPを導入する4つのメリット
CDPを導入するメリットとして、伊藤氏は以下の4つを紹介した。
- データの名寄せや統合処理
- 事前の集計処理
- セグメント作成機能
- 外部ツール、外部システムとの接続
1)データの名寄せや統合処理は、顧客データ管理で多くの企業が課題に感じている顧客マスターの統合となる。ECサイトや店舗会員が別々にマスターを構築しているなど、「数十個も顧客マスターがあるという企業もよくある」と伊藤氏。CDPには名寄せやID統合を行いやすくする機能が用意されており、これらを使うことで“シングル・カスタマー・ビュー”を得られる。
2)事前の集計処理は、セッション構築機能だ。Web行動ログやアプリ内行動ログではなく、サイトに来てから離脱するまでといった一連の行動セッションとしてまとめることができる。
3)セグメント作成機能は、SQLを書くことなくセグメントを作成したり、分析したりできるものだ。「SQLでしか表現できないものもあるが、ちょっとフィルタリングして絞り込みたいときに便利」と伊藤氏。
4)外部ツールや外部システムとの接続について、クラウドサービスとツールやシステムを接続する場合は開発を伴うが、CDPはコネクタにより簡単に外部と接続できる。