コロナ禍でも成長できたBtoB組織体制とは
松本:本日モデレーターを務めさせていただきます、JX通信社の松本です。本日は、「BtoBマーケティングの今後の戦略~変化に対応できる強い組織を作る~」というテーマでパネルディスカッションをしていきます。さっそくですが、各社どのような組織形態をとられているのか教えてください。
佐藤:2015年にブイキューブに入社し、ゼロからマーケティング組織を立ち上げました。施策を改善しながら、毎年着実に受注件数を伸ばしてきており、昨年はコロナ禍でも受注件数を急増させることができました。
弊社では2017年から2020年12月までいわゆる「THE MODEL」体制を敷いていました。案件創出をマーケティング部門が、案件受注からフォローまでをカスタマーサクセスを含む営業部門が担当するという形です。今年からはマーケティング機能もすべて営業本部に統合しています。
松本:ありがとうございます。次に富家さんお願いします。
富家:僕はコニカミノルタジャパンで2017年に立ち上げられた、「営業プロセス改革とBtoBマーケティングプロジェクト」の推進を担当しています。
当社もTHE MODEL体制を敷いておりますが、少し独特で、営業をリーダーに据えて、営業とマーケティング機能を混成させた体制を構築しています。
松本:マーケティングチームに営業リーダーを置いているのは、どのような理由からなのでしょう?
富家:マーケティングと営業の目線を合わせることを重視しているからです。BtoBではマーケティングと営業の間で、必ず何かしらの「調整」が発生すると思います。
リードの管理ひとつとっても大変ですし、マーケティングと営業をしっかり連携させるためには、両者の細かくて泥臭い調整が必要。その調整をやりやすくするために、マーケティングチームに営業トップを置いています。
組織の成長に応じて、KPI・KGIを変えていく
松本:では、各部門のKPI設定について質問させてください。
THE MODELにならって分業体制を敷いているのであれば、前工程と後工程を考慮した上でKPIを設定しなければいけません。マーケティングはインサイドセールスを、インサイドセールスはフィールドセールスを考慮したKPIにするべきですし、逆の流れもしかりです。
このバランスをとるのが難しいところだと思いますが、組織全体のKPIのバランスは誰がどのように管理しているでしょうか?
富家:当社の場合、マーケティングのKGIはリード数・商談数・案件化数としています。前提として、「営業の売り上げ目標に対して不足している分をマーケが補う」という考えを持っていて、不足しているパイプラインをマーケティング経由で創出することを目的としています。
最初からパイプラインの補完を目標にし、受注数をKGIにしていたわけではありません。マーケティングチームを立ち上げた当初は、とにかく商談を創出することを重視していました。そうすると、受注につながらないアポも生まれてしまいますが、営業チームとコミュニケーションを取りながら改善し、徐々に量から質へ転換させていきました。
商談数、案件化数、パイプラインの創出と徐々に目標レベルを上げていき、いよいよマーケティングチームでも受注数をKGIに設定できるレベル感になってきたところですね。