導入・成長・拡大 それぞれのフェーズに考えるポイントとは
導入フェーズのプラットフォーム選びでは、デザインや独自機能から判断するのではなく運用フローを考慮し、完成されたプラットフォームを選ぶことが重要だ。
EC事業成長のカギは、運用を重ねること。先述したとおりECスタート時はコストを投資するタイミングではない。「EC導入時は運用の継続を優先し、デザインや独自機能は成長フェーズに考えましょう」と飯澤氏。その上で成長に合わせた拡張性も視野に入れたプラットフォーム選びが必要だ。
続いてECの成長フェーズでは、やるべき業務が増加してくる。在庫管理、注文、出荷管理、問い合わせ対応と、日々の運用だけでなく、キャンペーンにともなうLPやバナーの制作なども発生する。これらの業務に合わせて、既存会員に向けたメルマガ送付などのCRM施策、新規会員獲得のための広告出稿も、事業成長には欠かせない。
ここで、担当者を増やすことも対策の1つだが、ECプラットフォームの中には分析やマーケティング施策を設計する機能が充実し、プロフェッショナルによるマーケティング支援も可能なサービスが存在する。導入時のプラットフォーム選択の際に、この点も考えておきたい。
そして、ユーザーが大きく増え、売り上げも伸びてくる拡大フェーズ。カートシステムのスイッチングが検討される時期だ。しかし「スイッチングには、さまざまなコストが発生しやすい」と飯澤氏。その1つが顧客離れの危険性だ。
「カートシステムが変わると、会員の方にパスワード変更のお願いが必要です。そして購入までの導線やUI、カートの使い勝手も変化するため、慣れていた会員が離脱する可能性があります」(飯澤氏)
さらに会員からの問い合わせ対応の負荷、管理システムの刷新にともなう運用担当者側の再教育が必要なことも懸念点だ。「ECはスモールスタートが鉄則ですが、導入期、成長期、拡大期のそれぞれのフェーズで、どう切り替えするかを踏まえ、カートシステムを採用することが重要」と、飯澤氏はアドバイスする。
初めてのECに必要なことが、すべてそろうメルカート
ここまでをまとめる。自社EC導入時に選択したいカートシステムとは、スピーディーにスモールスタートができること。そして、ECの成長期・拡大期に必要な、機能の拡張性やマーケティング支援を見据えたカートであることだった。
その選択肢の1つとして紹介するのが、エートゥジェイの「メルカート」である。
メルカートは、ECサイト構築シェアトップクラスのecbeingが持つ豊富な構築事例と、ECの勝ちパターンをテンプレート化した、クラウド型のツールだ。年商数百万円から数億円規模までのECをカバーする。
メルカートの特徴は、次の4つが挙げられる。
1つ目は高機能と優れたUIであることだ。導入企業のフィードバックを受けながら改善を進めてきたecbeingをベースとするため、標準で高い機能をそろえている。たとえば、会員データの多角的な分析とECの機能を組み合わせ、売り上げ向上につながる多様な施策の実行が可能だ。
またECのクイックスタートの壁になりやすい課題が、デザインにまつわること。なかなかデザインが決まらず、足踏みをしてしまうのだという。そこでメルカートではecbeingの実績に基づいた、売るためのデザインテンプレートを多数用意。業種ごとに最適化されたUIが選べるほか、バナーの配置や色味は何千パターンの表現ができる。
2つ目は自動バージョンアップ機能があることだ。成長著しいEC業界では、新しいツールやトレンドが毎日のように生まれてくる。それをEC事業者がキャッチアップし、運用に反映することは、非常にハードだろう。その分クラウド型のメルカートは、新しい機能も自動的にアップデート。外部ツールとの連携も強化され、Instagramの写真をECサイトに活用できるvisumoや、Amazon Pay、LINE Payといった決済方法も利用できる。