数十名規模の会社には職域を広げるチャンスあり
野崎:今回は運用型広告のコンサルティングなどを行うオーリーズで、3月から執行役員に就任された藤井貴志さんにお話をうかがいます。まず現在どのような職域を担当しているか教えてください。
藤井:現在は大きく3つの業務を担当しています。1つ目はメンバーのマネジメント業務。2つ目はプレーヤーとしてお客様のプロジェクトマネジメント業務。そして、3つ目は全社の人事領域です。人材採用はもちろん、研修制度や評価制度の整備、全社のNPS設計なども行っています。
野崎:ここでポイントなのが、企業規模が数十名規模の会社だと職域を広げやすい点です。特にオーリーズさんのように成長過程にある企業は、結果を出して社内での立ち位置を作ってからが前提となりますが、自分の意志でキャリアを派生させやすい傾向にあります。
縦割りの組織で業務が限定的になってしまうことにお悩みのマーケターは、意図的にこの規模の会社を選択する方法も有効でしょう。
新卒はリクルートで営業企画
野崎:では、ここから藤井さんのキャリアを振り返っていきます。新卒ではリクルートキャリアに就職していますが、当時の業務内容を教えてください。
藤井:最初に配属されたのは、営業企画グループで、人材紹介の事業部におけるKPI策定とモニタリングをしていました。
野崎:具体的にはどのようなKPIを策定していたのでしょうか。
藤井:たとえば、事業部全体で数百億円という売上目標があった場合、そのために何名の採用が必要なのか、何件面接・面談・エントリーしなければならないかを決めて、各部署にどう割り振れば一番達成確度が高いかを検討、策定して営業部に連携していました。
野崎:このケースは大変なことが多いです。なぜなら、現場経験がなく理解が浅い状態でKPI設計を求められ、当然簡単ではない数値を設計していくはずだからです。これは支援会社から事業会社に転身してKPIを設計する際にも起きやすく、その事業会社のビジネスモデルを体感して理解することが結果として近道になるケースが多いです。藤井さんも苦労されたんじゃないですか?
藤井:はい、思ったようなパフォーマンスは出せなかったですね。過去の数字を見て、設計していたのですが、現場のことが良く見えておらず、数字遊びになっていました。そして、営業企画に欠かせないのは、各部長さんに納得感を持ってKPIにコミットしてもらうためのコミュニケーションですが、その部分でも至らない点が多かったので、なかなか受け入れられず苦労しました。