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LINE広告活用術(AD)

LINE広告が少額から運用できるって知ってた? 運用のコツを聞いてみた

 約8,800万(2021年3月末時点)の月間利用者数に対して自社製品やサービスの訴求が可能なLINE広告は、オンラインで開設から配信まで完結し、少額から運用をはじめることができる。実際に少額から運用を行う際のコツについて、同社の安彦潤也氏、川原田美雪氏に聞いた。

圧倒的な月間利用者数を誇るLINE

 約8,800万人が日常的に利用するコミュニケーションアプリ「LINE」。ユーザーの男女比・年齢構成は日本の人口比とほぼ等しい。この幅広いユーザーに直接リーチし、新規顧客の獲得やプロモーションに期待できるサービスがLINE広告だ。LINE広告は少額から出稿でき、広告予算をなかなか確保できない企業でも気軽に運用をはじめられる。

 「少額ではじめる一番のメリットは、試験的な運用ができることです」と語るのは同社でLINE広告の運用サポートをしている安彦氏と川原田氏だ。

LINE株式会社 広告・法人事業本部 AD Sales Managementチーム マネージャー 安彦潤也氏(写真右)、同チーム 川原田美雪氏(写真左)
LINE株式会社 広告・法人事業本部 AD Sales Managementチーム マネージャー 安彦潤也氏(写真右)、同チーム 川原田美雪氏(写真左)

 「LINEのユーザー数を強みにしたLINE広告は、狭い商圏でも十分に効果が出せます。たとえば、事業を始められたばかりの企業や、街の小さな店舗など、少額で反応を検証したい場合でも簡単に運用を行うことができます」(安彦氏)

 リーチできるユーザー数が多いため、広告への反応も短期間でしっかりと出てくる。運用型広告を試したことがない企業であっても、効果検証をしやすいのが特徴だ。

そもそもLINE広告って……?

 申し込み方法や配信面の種類といったLINE広告の基本はこちらのマンガで説明しているので参考にしてほしい。

店舗・アプリ・ECでLINE広告の活用が増加中

 コロナ禍の現在は店舗、アプリ、EC業界を中心に、LINE広告の導入が増えているという。

 「リアル店舗を持っている企業は昨今の状況下で営業時間が流動的になっていることもあり、ユーザーへの情報発信を重要視されていることが多いです。アプリ業界の場合は世間が巣ごもり傾向にあるため、ユーザー拡大のために広告出稿を強化している企業が多く見られます。

 また、この1年でネットショップ開設サービスの普及に伴いECを開始した企業も多く、『とりあえずサイトを作ったけど、新規顧客をどう獲得していこうか』と集客に課題を感じてLINE広告を導入するケースが増えている印象です」(安彦氏)

 ここからは「LINE広告の少額運用」にポイントを絞って、成果を出すためのコツを紹介していきたい。

ターゲティングは広めに設定するのがカギ

 LINE広告の運用のポイントには、大きく分けて「ターゲティング」と「クリエイティブ」がある。

 「ターゲティング」においては、広告を配信する半径範囲の設定や地域の指定、年齢や性別などの属性でターゲットを絞り込み、自動最適化配信などの機械学習を基にした配信で効率的に運用することが重要だ。

 「少額運用の場合ははじめからターゲットを絞り込むのではなく、やや広いターゲットを設定し、効果を見ながら柔軟に絞り込んでいくことをおすすめしています。たとえば地域で絞り込みをかける場合は、最初は自社の店舗から半径5km圏内と広めに設定して、途中でターゲットの年齢を絞ったり、半径3km圏内に半径を変更したりと調整していきます」(川原田氏)

 少額運用を行う際にまず活用したい機能が、広告主が自社で保有する顧客データをもとに、行動属性が近いLINEユーザーを探し出して配信する「類似配信」だ。

 自社で保有する顧客の電話番号やメールアドレスをはじめ、Webサイトの訪問履歴や実際の商品購入履歴、LINE公式アカウントの友だちなど、さまざまなデータを用いて、LINE上で似た属性のユーザーに広告を配信することができる。

 加えて、Webサイトの訪問履歴を用いたリターゲティング配信もおすすめだ。特定のWebサイトを訪れたユーザーに対して広告を配信することで、自社の商品やサービスに興味を持っているユーザーに効率的にアプローチできる。少ない予算で効果を得たい場合に適した配信だ。

類似配信とは……?

 類似配信についてはこちらのマンガがわかりやすく説明しているので参考にしてほしい。

クリエイティブで重視すべきは「数」「タイトル」「色」

 LINE広告では、静止画が4種類と動画が3種類、全部で7種類の広告フォーマットが用意されている。まずはこれらのフォーマットの中からクリエイティブを幅広く用意することが望ましい。

 「質の高いきれいなクリエイティブを少数だけ作り込むよりは、簡単なものでもいいので様々な訴求軸と、複数のサイズバリエーションを用意しましょう。広告の配信面はトークリストやタイムライン、LINE NEWSなどがあり、配信面によって掲載されるクリエイティブのサイズが異なります。効果を比較し、考察して配信効果を高めていくためにも複数のクリエイティブを用意することが大切です」(川原田氏)

LINE広告の配信面「タイムライン」(写真左)と「LINE NEWS」(写真右)
LINE広告の配信面「タイムライン」(写真左)と「LINE NEWS」(写真右)

 静止画と動画であれば、LINE広告においてより多くのユーザーの反応が期待できるのは動画だという。しかし、予算や経験の少ない企業では、作成工数がかかる動画を次々と作成できないケースもある。そういった場合は静止画のクリエイティブを複数作成し、検証していくことでも効果を出していけるという。

 では、クリエイティブにおいて重要なものは何か? それは「タイトル(クリエイティブのメインとなる文言)」と「色」だと川原田氏は説明する。

 「たとえばトークリストの上部に表示される配信面『トークリスト』は、広告枠が小さいため、タイトルでいかにユーザーの目を引きつけるかが重要です。タイトルの微妙な違いや使用する色でも、CTRが大きく変わることもあります」(川原田氏)

広告枠が小さな「トークリスト」では、タイトルが重要になる
広告枠が小さな「トークリスト」では、タイトルが重要になる

 そのため、新たな画像を入稿できない場合には同じ画像を使い、タイトルだけを変更していく運用方法でも効果検証が可能である。

クリエイティブの効果を高めるコツは?

 ユーザーの共感を得ながら配信効果を高めるための基本的な考え方は、こちらのマンガで詳しく解説している。

まずは2週間で40クリックを目安に運用

 運用型広告は効果検証と改善が重要だ。少額運用の場合はどのようにPDCAを回していけば良いのか。見るべきポイントは配信量とCTRだという。

 「はじめてLINE広告を運用する際、一番シンプルな目安としては、運用を開始して2週間で40クリックに届くかどうかです。40クリックに届かない場合は配信量が足りないか、クリエイティブがターゲットに響いていないかのどちらかです。予算を増額して配信量を変えることも可能ですが、まずはクリエイティブの検証をおすすめします」(川原田氏)

 先述の通りLINEの月間利用者数は非常に多い。よほどターゲットを狭めていない限り、ユーザーに伝わるクリエイティブを心掛けることで改善の余地がある。

 まずは運用をはじめて2週間を目処に、どのくらいで40クリックに到達するかを見て、次の2週間でいかにクリック数を増加させるか。検証を重ねてクリエイティブの最適解を探すことが重要だ。

 それでもインプレッションを高める必要が生じた際には、ターゲットを広げる、あるいはターゲット層を変えるなどの調整のほか、先ほど紹介した類似配信を活用することも有用だ。CPAが高くて効果が見合わない悩みに対しては、あえてターゲットを少し狭めるなどの対策があるという。

管理画面の使いやすさは?

 自社で広告運用を行うには、管理画面の使いやすさも気になるところ。

 「オンラインで開設から配信までが可能になった2019年11月と2021年4月現在を比較しても、UIとUXは絶え間なく変化し、改善しています」と安彦氏。ユーザーからの評価も高く、現状では少しでも広告運用の経験があれば直感的に利用することが可能だ。

管理画面

キャンペーンから目的別に選択して運用効果を明確化

 少額から運用を始めて、継続的に配信を拡大していくために重要なポイントを川原田氏は次のように説明する。

 「最も重要なのは、運用の目標を決めてからはじめることです。なんとなくはじめてしまうと、良かったのか悪かったのかが曖昧になり、費用対効果が見えにくくなることもあります」(川原田氏)

 LINE広告は配信設計を行う最初の段階で、目的別のキャンペーンを6種類の中から選ぶ仕様になっている。たとえば、「ウェブサイトへのアクセス」ならサイトへの誘導にともなう認知拡大、「ウェブサイトコンバージョン」ならサイト内での購入や申し込み促進を目的とした広告運用が行える。

キャンペーン一覧(2021年4月現在)
キャンペーン一覧(2021年4月現在)

 そのため、「LINE広告を使い、どのくらいの予算で何件獲得したいのか」といった目標を事前に決め、キャンペーンの中から適したものを選ぶことが大切だ。

 中でも少額から運用を始める場合、特に使いやすいキャンペーンは、「ウェブサイトへのアクセス」と「友だち追加」だという。友だち追加は自社のLINE公式アカウントの友だち数を増やすもので、友だちが追加されるたびに課金される成果報酬型のため、気軽にはじめやすい。

 「特に美容業界や飲食業界においては、自社のホームページを持たずにLINE公式アカウントを開設してホームページの代わりに情報を発信するケースが増えています。LINE公式アカウントを活用したビジネスの拡大には、ユーザーにLINE公式アカウントの友だちになっていただくステップが重要になります。そのため、効率的に友だちを増やすためにLINE広告で企業・店舗のLINE公式アカウントを訴求して友だちを集め、集客したユーザー(友だち)との中長期的なコミュニケーションをLINE公式アカウントで行う企業も増加しています」(安彦氏)

運用の疑問はどう解決する?

 LINE広告はオンラインでアカウント開設から広告配信まで完結することができる。運用時の疑問はLINE公式アカウントの「LINE広告サポート」に尋ねればリアルタイムで回答が得られる。

疑問や課題をボタンで選択すると、回答が得られる

 広告運用は情報を欲する人に適切な情報を届けることが要となる。日本全国で幅広いユーザーが使用しているコミュニケーションアプリだからこそ、今まで商品やサービスの魅力に気づいていなかったユーザーに確実にメッセージを届けられる。

 予算を理由にLINE広告を選択肢から省いている場合は、少額の試験運用から始めてみるのはいかがだろうか。

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2021/05/27 18:00 https://markezine.jp/article/detail/36129