ヒットコンテンツを生み出す秘訣は視聴者の顔を思い浮かべること
渡邉:次のトークテーマは「YouTubeでヒットコンテンツを生み出す考え方」。ここはぜひとも平山さんに勝ち筋を語っていただきたいです。
平山:そんなものがあるなら僕が知りたいくらいですよ(笑)。勝ち筋はありませんが、やはり視聴者の顔を思い浮かべることが大事なんじゃないでしょうか。たとえば野球の場合、「●●高校の練習法」という動画がバズりやすい。視聴者はそういう「プロではないけど野球が上手いスーパー兄ちゃん」みたいな人から教えてもらいたいのではないかという見立てで始めたのがトクサンTVです。

渡邉:平山さんご自身が野球経験者で詳しかったからわかる勘所かもしれませんね。ニーズはあるのにコンテンツがないから当たるという意味では、ジャンル選定も重要な気がします。私は「ジャンル」「企画」「演者」の3要素でYouTubeコンテンツの成功は決まると思っているのですが、トクサンTVの演者はどうやって集めたのですか?
平山:たまたま知り合いました。よく喋る一生懸命な人で、「野球で仕事がしたい」と言っていたので声をかけたのが始まりですね。テレビタレントとYouTuberは似ているようでまったく違います。テレビはスタッフが企画を考えてタレントがその企画をアウトプットするのに対し、YouTuberは自分たちで企画を考えて動画の編集までやらないといけないので、熱中できる対象を持っている勉強熱心な人が向いていると思います。トクサンTVでも動画編集の方法を毎日深夜まで教えてあげていました。
渡邉:演者が企画を考えないと熱量が伝わらないとは思いますね。小さいスマホの画面で演者が熱量を込めて訴求するからこそ、親近感が生まれてファンが付くのだと思います。
動画量産のポイントはシステム化
渡邉:参加者から質問をいただいています。「コンテンツを連続で創出・運用するポイントは?」
平山:気合いと執念ですね(笑)。真面目に言うと、システム化がポイントだと思います。弊社ではスケジュールやメンバーの担当業務をスプレッドシートで管理しています。週7本コンテンツを作ることはできても、“おもしろい”コンテンツを7本作るのは大変です。「このクオリティはダメ」と退ける勇気を持ちつつ、良いものを量産してほしいですね。
渡邉:そうですね。市場選定と頻度は密接につながっているので、ブルーオーシャンのジャンルなら多少クオリティを落としても見てもらえます。逆に、レッドオーシャンのジャンルは視聴者が他のチャンネルに流れてしまうので、頻度を落としてでもクオリティを上げるべきだと思います。
そろそろお時間となりました。最後に平山さんから参加者へメッセージをお願いします。
平山:伝達可能な情報量が圧倒的に多いのは動画の長所です。テレビは参入障壁が高く局のしがらみもありますが、YouTubeは全員チャンスのプラットフォームなので、ぜひ企業の方にも飛び込んでほしいです。
渡邉:今日お話しした内容を詳しく知りたい方は、私の著書「動画マーケティングの新常識 最強のYouTube活用術」やYouTubeチャンネルをご覧ください。