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ポストCookieの世界~アドテク最新事情をキャッチアップ

進化するCookieレス広告:任意のキーワードを指定できる「インテントキーワードターゲティング」とは

 元RTB House、現Cosmoseの高橋氏が、ポストCookieの世界とアドテクの技術革新を紐解いていく本連載。第5回はネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」を提供するログリーと対談。広告主とメディアそれぞれにおけるCookie対応の現在地と、同社が2020年12月に提供開始した新型配信ロジック「インテントキーワードターゲティング」の詳細をうかがった。

コンテキストマッチの領域に10年以上取り組む

高橋:まずは和田さんの自己紹介をお願いします。

和田:ログリーには2016年8月に入社し、以来一貫してネイティブ広告プラットフォーム「LOGLY lift」に携わっており、現在はlift事業部の部長としてプロダクトのアップデートに取り組んでいます。

高橋:では、御社の概要を教えてください。

和田:ログリーは2006年に当社代表の吉永が早稲田大学大学院の博士課程在籍時に創業し、自然言語処理や機械学習の技術をコアコンピタンスとして、事業を展開してきました。「LOGLY lift」にも、そうした技術が用いられています。

(左)Cosmose Head of Sales/Partnership, Japan 高橋君成氏(右)ログリー株式会社 lift事業部 部長 和田拓真氏
(左)Cosmose Head of Sales/Partnership, Japan 高橋君成氏
(右)ログリー株式会社 lift事業部 部長 和田拓真氏

高橋:「LOGLY lift」ではCookieレス対応も進んでいますよね。

和田:はい。個人を特定するのではなく、人々の興味・関心に対してターゲティングしていくという考えで対応しています。2016年にGDPRが制定され、プライバシー保護が義務として世界共通の認識になったタイミングから、その方向でプロダクト開発を進めてきました。

高橋:当時はまだマイナーチェンジで乗り切ろうとする企業も多かった中、御社はかなり早いタイミングで方向転換をされたという印象を持っていました。

和田:実は弊社は創業直後から言語解析や文脈解析の領域に取り組んでおり、2012年にはDSPをオーディエンスによるターゲティングではなく、媒体の文脈でコンテキストマッチする「logly DSP」もリリースしていたんです。

 最近では2018年に“ユーザーの興味を分類・可視化する技術参照URL)”、2019年には“Cookieを使用せずにユーザー属性を推定する技術参照URL)”について、それぞれ特許を取得しています。

広告主の対応:リタゲ代替案の模索から根本的な対策へ

高橋:ここのところ、ポストCookieの話題は日本においても関心が高まっていますよね。御社は広告主側、メディア側それぞれと接していらっしゃると思いますが、最近の状況はいかがでしょうか。

和田:まず広告主様については、2019年頃までは、リタゲの代替案を期待されることが非常に多かったですね。「Cookieなしでリタゲできますか?」とよく相談をいただいていました。一方、昨年からは徐々に「まだわからない部分はあるものの、同様のやり方を続けていくのは難しいだろう」という考え方に変わってきていると感じます。

高橋:確かに広告主にとっては、リタゲが使えなくなることの影響は大きいですよね。御社にとっても、その先のお客様にとっても、非常に勇気の要る決断が必要なタイミングに差し掛かっているのだなと感じます。

広告主の脱Cookieを後押しする「インテントキーワードターゲティング」

高橋:2020年12月、ログリーさんは「インテントキーワードターゲティング」という新型配信ロジックを「LOGLY lift」に搭載されました。これが従来のコンテキスト広告や、これまで提供されてきた広告商品とどのように違うのか、教えていただけますか。

和田:インテントキーワードターゲティングは、従来のコンテキスト解析の技術を応用したもので、 リスティング広告のようにキーワード単位でコンテキストターゲティングが可能な点がポイントです。

キーワード配信のイメージ
キーワード配信のイメージ

 リスティング広告は広告主様に最もよく使われている形式の一つなので、このようなかたちで商品を提供することで、より多くのシーンで脱Cookie対応を進めていただけるのではないかと考えました。

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この記事の著者

高橋 君成(タカハシ キミナリ)

Cosmose Inc, Head of Sales&Partnership, Japan 1988年生まれ。外国語大学卒業後、リクルート、Criteoなどを経て、RTB Houseの日本法人立ち上げを経験。2021年4月よりCosmose Incの日本ビジネスにおける責任者を務める。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

蓼沼 阿由子(編集部)(タデヌマ アユコ)

東北大学卒業後、テレビ局の報道部にてニュース番組の取材・制作に従事。その後MarkeZine編集部にてWeb・定期誌の記事制作、イベント・講座の企画等を担当。Voicy「耳から学ぶマーケティング」プロジェクト担当。修士(学術)。東京大学大学院学際情報学府修士課程在学中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/07/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/36505

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