LINEとInstagramがユーザー数を拡大、TikTokは若年層割合が高い
――コロナ禍での影響はいかがでしょうか。
図表3は、2020年3月時点と2021年3月時点の利用者数を比較したものです。

基本的にはすべてのSNSにおいて増加トレンドにありますが、特にLINEとInstagramの利用者数が増加しています。旅行などに行けなくなり、若年層を中心にInstagramの利用が少なくなるのではという仮説もありましたが、50歳以上の女性の利用者増加も受けて大きな成長につながりました。
利用時間に関しては、YouTubeが2020年の年末に増加傾向が見られたものの、基本的にはどのSNSもほぼ横ばいという状況です。スマートフォンでのデータとなるので、テレビ画面でYouTubeなどを見ていた場合にはデータに反映されません。そのためYouTubeでも大きな変化が見られなかったと考えています。
――各SNSプラットフォームにおける利用者属性にはどのような違いがあるのでしょうか。
性年代別での利用者構成比を見ると、LINEとYouTubeに関しては世代間や男女間の差が少なくなっており、全世代にまんべんなく利用が広がっています。TwitterとInstagramはまだ若干若年層の利用者割合が多くなっているため、まだまだ35歳以上の年齢層の利用者を増やせる伸びしろがあります。
そして、TikTokは男女の18〜34歳が半数以上を占めています。18歳未満のデータがないことを踏まえると、他のプラットフォームに比べ圧倒的に若年層の割合が高いことがわかります。
基本的にはどのSNSもターゲティング機能が優れているので各年齢層にアプローチできますが、TikTokやTwitter、Instagramは若年層、LINEやYouTubeならシニア層のターゲット含有率が高くなっている状況です。
――SNSはZ世代をはじめとした若年層に対するアプローチがしやすいイメージがあるのですが、いかがでしょうか。
どの世代でもSNSをコミュニケーションの場として利用しているため、若年層以外でも十分アプローチは可能です。しかし、利用頻度で見ると、若年層になればなるほどSNSの影響度は大きくなります。18〜24歳のZ世代と25〜39歳のミレニアル世代を比較したところ(図表4)、スマートフォン利用時間シェアのうちZ世代はSNSに24%、ビデオと映画に20%使っており、ミレニアル世代よりもシェアが大きくなっています(SNS、ビデオと映画ともに15%)。
