求められる「DMMって何やってる会社?」からの脱却
MZ:まず、今回DMMがコーポレートブランディングを目的としたCMの出稿に至った背景を教えてください。
塩谷:コーポレートブランディングを目的としたCM出稿はDMMにとって初めての取り組みです。その背景にはDMMが行っている事業に対する認知度が低いことが挙げられます。
ブランド調査を行っても、会社自体の認知度は高いのに対し「どのような事業をやっているかわからない」「いろいろな事業を行っている」などDMMが行っている事業に対してあまり認知されていないのが現状です。
MZ:御社は事業の数が非常に多いので、そのような回答をしてしまうのもうなずけます。
塩谷:実際にDMMでは約60の事業を展開しています。動画配信をはじめとしたインターネットサービスはもちろん、農業ソリューションや消防車両の開発など事業の幅も広がっております。
今回のCMは、その多岐にわたる事業を紹介し、なんでもやってるDMMが具体的に何をしているのかの認知を目的に出稿しました。
また、BtoBのお客様にも新規事業のことを信頼いただくこともCM出稿の目的の1つでした。60近い事業を行っているため、パートナー企業様の業種も多岐にわたります。そのため、今回のCMでは新しくパートナーとなっていただけそうな大企業や官公庁の決裁者、そしてビジネスパーソンをターゲットに定めました。
ビジネスパーソンに届く徹底したメディアプラン
MZ:では、どのようなメディアプランを設計したのか教えてください。
馬場:今回はテレビCMとタクシー広告、ネット広告でターゲットの含有率が高いところに配信する設計を行いました。テレビCMに関しては広告代理店様協力のもと、霞が関に勤務している方を想定し年代層や属性の調査を行い、どの番組だとターゲット含有率が高いかを分析しました。
その結果、含有率の高かった報道と経済関連の番組を中心に2020年の年末から2021年の年始にかけて出稿しました。また、タクシー広告に関してもDMMとしては初めて出稿しました。
武井:ネット広告に関しては、目的を2つに分けて出稿しました。1つはLPに対し誘導を行う広告です。リスティング広告とサイバーエージェントグループのAJA様が提供する「AJA DSP」を活用したデモグラフィックとジオグラフィックによるターゲティング配信を行いました。
AJA DSPを活用した広告に関しては、東京駅や丸の内周辺に設定した性年代の方に向けて配信を行いました。DMMの持つデータではアプローチしきれない方に対してリーチできたと考えています。
もう1つはテレビCMのクリエイティブを活用した動画広告の配信です。AJAはTVerやABEMAとも連携していたので、それらの媒体を中心にターゲティング配信を行いました。