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四家正紀のネオコミュニケーション遊談

「ユニバーサルデザインの達人に学ぶ 21世紀のWebデザイン」前編


誰のためのWebデザイン?

四家
ネットビジネスに関わっている人、特にWeb制作関係者には、サービス業的視点が欠けているんじゃないかと思うんですが。
濱川
僕もそう思います。Web制作を請け負うときには、あたりまえですがクライアントがいますよね。でもそのクライアントの先に実際にそのサービスを利用するお客さん、いわゆる「ユーザー」がいるわけです。

サービス業であれば、「その人たちにサービスを提供するんだ」という意識が必ずあるのですが、Web関係の人はクライアントで止まっちゃう人が多いような気がするんです。その先にまで意識がいかない。この業界に入ったときに、それがすごく違和感としてありましたね。
クライアントの先にいる実際のユーザーを意識すること
四家
クライアントを満足させればとりあえず評価はされるけど、それでいいのかと。
濱川
そのことに、ずっとなじめなかったんです。クライアントが喜ぶためのデザインをするっていうのが、どうしても気持ちが悪いというか。ベクトルが違うんじゃないかっていう違和感がありました。
四家
濱川さんがデザイン事務所入った頃のネットビジネスって、意外と「お客に接したことのない人」が多かったように思います。自分自身が受けるサービスについても、あまり深く考えたことのない人とかね。
濱川
そうですね。「顧客満足」という視点はあまりなかったですね。

ユニバーサルデザインとの出会い

四家
納得の行かない仕事もこなしながら、どうやってユニバーサルデザインにたどりついたんでしょうか。
濱川
いろんな仕事をこなす中で、自分なりにできる限りの抵抗をしていました。お金にはならなくても、アクセシビリティにこだわってみたり。色彩に関してはスクールに通って勉強しました。
四家
なるほど。その中でユニバーサルデザインに出会ったわけですね。
濱川
当然の帰結といいますか、他に選択肢もなかったですし。「ユニバーサルデザイン」という言葉は知っていましたが、自分の中で「ユニバーサルデザインWeb」としてひとつの概念になったのはわりと最近で、3~4年くらい前でしょうか。それまでは、アクセシビリティとかユーザービリティ、インフォメーションアーキテクチャといった「Webデザインの方法論」が、自分の中ではバラバラな概念としてあるだけでした。
四家
そうした概念がだんだんと統合されていったと。
濱川
サービスとして考えたときに、アクセシビリティだけでは足りなくて、使いやすい・わかりやすい・心地いいといった要素も包括した概念が必要だと思ったんです。
四家
今さりげなく出てきましたけど「サービスとして考えたときに」って、実は重要なことですよね。
濱川
ええ。そこでやっと「ユニバーサルデザイン」という概念にたどり着いたんです。サービスという視点で考えたときに、「ユニバーサルデザイン」という言葉にすると、頭の中がすっきりしました。
四家
その頃カレンに来てくれたわけですが、当時はEメールマーケティングを標榜していたウチの会社をなぜ選ぶ気になったのでしょうか。
濱川
マーケティングのレベルでなければ考えられないデザインの方向性とかコンセプトがあると感じていました。だから、どうしてもマーケティング会社でデザインをやりたかったんです。
四家
ユニバーサルデザインが根付いていない会社で、どんなことから始めていきましたか?
濱川
もう、いきなり直訴ですよ。「社長! ユニバーサルデザインやりましょう。やらなきゃベストメッセージングカンパニーじゃありませんよ!」
四家
いきなり直球(笑)。
濱川
当時は、やる気はあったんですが、逆にやる気しかなかった(笑)。

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「Webデザインの本質」とはなんだろう?

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この記事の著者

四家 正紀(シケ マサノリ)

株式会社カレン次世代ビジネスリサーチ室長。インターネット広告の草創期からWebマーケティングに携わり、現在はカレンにて次世代販促コミュニケーションについての研究活動と、ブログマーケティング・ブロガーリレーションズ案件のプロデューサーとして活躍。寄稿、講演多数。 ブログ カレン次世代ビジネスリサーチ室ブログ

著書

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2006/11/29 13:54 https://markezine.jp/article/detail/367

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