「集める」データと「集まる」データ
ソーシャルリスニングの本題に入る前に、消費者を理解するためのデータは現在どのようにして集められているのかについて、整理をしましょう。
消費者データを集める方法は大きく2つのアプローチに分かれます。一つは、Active/Asking系と呼ばれる、データを集める方法です。もう一つは、Passive/Listening系で、集まってくるデータを使う方法です。
これまで多く用いられてきたのは、データを集めるAsking系の方法です。リサーチャーを通じて主にアンケート等によってデータを集めることで、構造化されたデータが得られ、集計や分析が比較的容易である利点があります。しかしこれらのデータは、収集の過程でバイアスがかかる可能性があります。それ以上に問題なのは、収集する側が「聞いたこと」以外のことはわからないということです。
これに対して、集まるデータを使うListening系は、リサーチを意識していない自然な行動や言葉が収集されます。従って得られるのは、非構造化状態の、ぐちゃぐちゃな生のデータになります。集計や分析はAsking系に比較すると非常に難しくなりますが、「想定外の発見」が得られるという大きな利点があります。言わば「お宝」が見つかる可能性が高い、ということです。
ネットやデータの進化によって、このようなListening系のデータ収集が可能になりました。このListening系のデータを用いて行われているのが現在のソーシャルリスニングです。