ライフスタイルのリアルが見える記事を
――「メルカリマガジン」のコンテンツ作りでは、どのようなことを意識していますか。
宮川:すべてにおいて言えることだと思いますが、響くコンテンツにはリアリティが重要ですよね。記事の中に取材相手や寄稿者の生活、もっと言えば人生における「真実の一片」があるかどうかはいつも意識しています。
また、メルカリが主語で語らないことも心がけています。常に記事がメルカリに紐づいている必要はなくて、たとえばどなたかの愛用品を紹介する際、必ずしもメルカリで買えるものでなくてもいいとお伝えしています。私たちが提案したいのは「メルカリで買えるもの」ではなくて、「多様なライフスタイルや好きなものとの出会い」だからです。
山岸:タイトルとクリエイティブにも気を使っています。多様なジャンルの記事がありますが、すべてインハウスのアートディレクターと協業しトンマナを揃えていますし、サイトのUI・UXも継続的に改善しています。
――非常に幅広いジャンルの記事を掲載していますが、どのような年齢層・性別の方をターゲットにしているのでしょうか。
宮川:記事ごとに想定ターゲットはありますが、「メルカリマガジン」は男女年齢問わず幅広い方に読んでいただきたいと考えています。そのため、メディア全体で細かなターゲットは設定せず、メルカリを利用したことがない・あまり利用していない方にも興味を持っていただけるような記事を展開しています。
反響が大きかった2つのコンテンツ
――これまでで特に反響が大きかったコンテンツを紹介してください。
宮川:直近で反響が大きかった記事は2つありまして、1つ目は『「片付けを甘くみてはいけない」。脳科学者に聞く挫折しない片付けのコツ』という記事です。脳内科医の加藤俊徳先生に片付けのコツを聞いた記事なのですが、SNSバズの後に自然検索経由で非常に読まれています。「片付け」というビッグワードで現在も上位表示されているからですね。
山岸:「片付けを甘くみてはいけない」とタイトルに強烈なパンチラインがあったことに加え、「片付け」という生活シーンに課題を抱えている方が多かったことが、ヒットの要因だと考えています。企画の背景には「メルカリで不要品を売る」というアクションの動機作りとして「部屋を片付け、スッキリしたい」というインサイトがあったことに着目しました。このように、メルカリを使う生活シーンからアイデアを得て記事を作ることも多いです。
――2つ目はどのようなコンテンツだったのでしょうか。
宮川:2つ目は、『「またいつか、世界の果てで会おう」118ヵ国を巡ったイモトアヤコさんが、必ず持っていく旅グッズ』という記事です。沢山の国を旅してきたイモトさんがおすすめする「旅の必需品」は、信ぴょう性がとても高いはず。実際にご本人に書いていただいたのですが、このときもメルカリで買えるものでなくても良いと伝え、本当に持っていきたいものを挙げていただきました。
ものを紹介するだけでなく、人となりやリアルな愛用品がわかる「メルカリマガジン」らしい記事で、反響が大きかったのは嬉しかったですね。