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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

BtoBマーケティングの開拓者たち

4ステップで進める!PR戦略と組織の作り方

残る4つ目のステップは?

ステップ4:PR効果を測定する

 PDCAを回すために、効果測定は不可欠でしょう。私たちは測定指標を「アクション」「アウトプット」「アウトカム」の3つに分類しています(図表2)。

図表2 PRの測定指標(タップで画像拡大)
図表2 PRの測定指標(タップで画像拡大)

 PR目的に応じて、複数の指標を採用し、定点観測してみてください。企業によっては、重み付けをして独自のスコアを作ったり、時系列に相関分析したりする取り組みもされています。ただしBtoBの場合、認知から検索行動、さらには問い合わせするまでにはタイムラグもあるため、コンバージョンとの因果関係を見出すのは難しいことが多いです。それでも、インサイドセールスと連携し、一次ヒアリング時に認知経路を聞き出したり、MA(マーケティングオートメーション)を用いて行動分析したりすることで、PR効果を可視化していくことができる可能性があります。

チームでPR視点を養う

 PRの仕事を続けていると「PRに強い企業の共通点はなんだろう」と考えることがありますが、その一つは組織にあるのではないかと思います。たとえばPR担当以外のマネジメントや他部署の方がPR視点を持っていたり、情報共有に協力的だったりします。ここからは、チームとしてPR視点を養うためのアイデアをお伝えします。部署を超えてお使いいただけるのが、メディア向けに発信する情報を整理するためのフレームワーク「ニュース7つの要素」です(図表3)。

図表3 ニュース7つの要素(タップで画像拡大)
図表3 ニュース7つの要素

 プレスリリースやイベント開催において、ニュース要素が複数含まれている情報ほど、興味を持ってもらいやすくなります。以下ではBtoB SaaSを想定し、それぞれ解説していきます。

(1)時流要素

 社会的に注目されているテーマと自社サービスをいかに絡められるかを考えます。最近ではDX時流が強いため、各業界で「◯◯DX」という訴求をしていますね。

(2)実利要素

 企業が抱える課題に対して、どんなメリットがあるかを示します。導入前後の効果や実験結果など、具体的なエビデンスが揃っていることが望ましいです。

(3)実績要素

 顧客の導入実績や第三者機関の評価などがあります。顧客の導入実績をスムーズに展開できるようにセールスやカスタマーサクセスとも密な連携が必要になるでしょう。

(4)大成要素

 市場やサービスのポテンシャルを示します。数年後のビジョンや計画を示し、期待感を持ってもらったり、起こりうる大きな課題を提起し、サービスの必要性を感じてもらったりすることがあります。

(5)技術要素

 AIや5Gといった最新技術に関連することを指します。研究者との共同研究や、実証実験など将来的に目指す技術も含まれ、途中経過を発信していくことで、より多くのニュース機会を作れるかもしれません。

(6)新規要素

 国内初や業界初のサービスや取り組み、発売開始の情報を指します。たとえば、SalesforceやAdobeなどは、定期開催のイベントで新サービスや新機能を集中的に発表しており、テック系メディアを中心にニュースが増えますね。

(7)季節要素

 季節ごとの行事をイメージするとわかりやすいでしょう。新入社員が増える4月であれば人事総務向けサービス、ボーナスの時期であれば経理向けサービスにとって情報発信のチャンスかもしれません。

 PR担当者だけでなく全社員がこの視点を持っていることで、情報がスムーズに流れるようになり、効果的な戦略実行につながっていきます。

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この記事の著者

田中 幸司(タナカ コウジ)

ビルコムへ入社後、BtoB企業へのPRコンサルティング、戦略策定、コンテンツ企画に携わる。その後、BtoB SaaS「PR Analyzer」事業の法人営業、マーケティング、オペレーション統括を経て、現在は代理店事業のマーケティング、インサイドセールスを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/09/29 06:30 https://markezine.jp/article/detail/37325

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