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米国最新事情レポート『BICP MAD MAN Report』

日経電子版から考える 新聞社は配信事業から「双方向会話型」の新事業体へ

 米国やグローバルにおける広告・マーケティング業界の最新情報をまとめたベストインクラスプロデューサーズ発行の『BICP MAD MAN Report』。そのカットアップ版をお届けする本連載。今回は日経電子版の事業推移から、新聞社の配信事業の今後の展望について考察する。

※本記事は、2021年9月25日刊行の定期誌『MarkeZine』69号に掲載したものです。

日経電子版は経営を支えているか

 本コラムの2021年5月号の記事「ニューヨーク・タイムズが12倍に成長 オンライン投資先とその姿勢」にて、The NewYork Times(以下、NYT)がデジタル版アカウントを大きく伸ばしていることを紹介した。この本意を今回は、日本での購読者の増加成功例と認識されている日本経済新聞(以下、日経)の直近の数字から分析しよう(参照:日経朝刊・電子版の購読数)。日本のメディア企業の模範が、次のD2Cやサブスクリプション事業のヒントを示してくれている。

 2020年はNYTやNetflixなどのサブスクライバーが急増した特需の年だった。この勢いで同年の日経電子版の有料会員数(図表1)を見てみると、肩透かしだ。

図表1 電子版と印刷朝刊の発行部数(公表データをもとに筆者作成)(タップで画像拡大)
図表1 電子版と印刷朝刊の発行部数(公表データをもとに筆者作成)(タップで画像拡大)

 電子版有料会員はかろうじて増えてはいるものの、印刷版を合わせた購読者総数を見れば、2020年7月からの一年で約16.8万件も消失している(日経電子版有料会員数は約4.4万件増に対し、朝刊販売部数は約21.2万件減の状況)。

 この購読者の減少度合いは数百億円単位を失い続けていることを意味し、経営の赤信号を示すデータだ。日常で朝日・読売・毎日各紙などへの経営危機指摘は多く目にするが、実は日経も似たような先行き危ない面を露呈している。

無料登録者増に甘んじて良いか

 率直に日経の電子版有料会員数の増加率は、奇妙なほどに少な過ぎる。この「オンライン特需」の稼ぎ時において、アカウント数の成長率が「たったの5%台」で留まっているのは、むしろマイナス成長になる。

 一見増えたように見える約540万件の「無料登録を含む電子版」のユーザー数は、「0円方式」によって集まる広告Impression数を稼ぐことが主目的だろうか(有料へ転換する潜在的なユーザー育成と考えるのか)。無料の「とりあえず」の登録数が伸びる事による広告配信の収入も、公表数字はないが、最終利益の減少を見れば大きくは伸びていないはずだ。

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この記事の著者

榮枝 洋文(サカエダ ヒロフミ)

株式会社ベストインクラスプロデューサーズ(BICP)/ニューヨークオフィス代表 英WPPグループ傘下にて日本の広告会社の中国・香港、そして米国法人CFO兼副社長の後、株式会社デジタルインテリジェンス取締役を経て現職。海外経営マネジメントをベースにしたコンサルテーションを行う。日本広告業協会(JAAA)会報誌コラムニスト。著書に『広告ビジネス次の10年』(翔泳社)。ニューヨーク最新動向を解説する『MAD MAN Report』を発刊。米国コロンビア大学経営大学院(MBA)修了。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2021/09/29 08:30 https://markezine.jp/article/detail/37341

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